東京は歩くたびに発見がある街。ほら、こんなところにもしゃれた店が。
こだわり店主が集めた“いいモノ”が並ぶ店には、いつも新しい出会いが潜んでいる。
探究心が刺激される、そんな「セレクトショップ探訪」に出かけよう。
紙の専門店で、紙製文具と活版印刷の魅力に触れる
明治通りに面したビルの一階に、ガラス張りでモダンな店を構えるパピエラボ。
オリジナル商品をはじめ、国内外からセレクトした紙と、紙にまつわるプロダクトを販売するほか、名刺やダイレクトメールなどの印刷物の制作も請け負う。店主、江藤公昭さんの紙への一貫したこだわりは、フランス語で紙を意味するパピエを冠した店名に表れている。
中央のショップカードは定期的にデザインやつくりを変えるこだわり。左は一番人気のオリジナルの和紙製のお香。
「企画から参加した活版印刷についての展覧会で、活版印刷の魅力に触れました。廃業していく印刷所が多いなかで、活版印刷の注目度の高さを目の当たりにしたんです。そこで、たくさんの人にその魅力を身近に感じてもらえる場として、この店を始めました。最初は当時勤めていた家具店、プレイマウンテンの千駄ヶ谷にあった倉庫の一画を間借りし、社内の事業という形で始めました。そこから5年ほどで独立、10周年を迎えるころに原宿に移転しました」
印刷物の試作も江藤さん自ら行う。
店内は、ノートやポストカード、カレンダー、テープ、クレヨン……と紙にまつわる商品が並んでいる。店で扱うものは、売れ行きをあまり考えていないと言う。
「売れるかどうかは正直そんなに大事ではありません。お店に置きたいものや、僕のそのときどきの気分によるセレクトが多いです。海外アーティストやブランドのアイテムも常に置いています。当初は海外へ買いつけに行くこともありましたが、今では仕入れ先のネットワークが広がり自然とおもしろい商品や素材のいいアイテムが集まるようになりました」そして、江藤さんが魅了された活版印刷の技術は、印刷物の受注に活かされる。
韓国・チェジュ島のブランド<オドゥジェ>のハンドメイドクレヨン。チェジュ島の溶岩を模したゴツゴツとした形が特徴的。
そして、江藤さんが魅了された活版印刷の技術は、印刷物の受注に活かされる。
「名刺やダイレクトメールなどの受注は、発注量やサイズに合わせて、デザインや形を提案します。活版印刷は選択肢のひとつに過ぎないので、印刷方法も自由に選んでもらえたらと思っています」
ペーパーレス化、デジタル化が進む今だからこそ、アナログな紙にしかできないことを提案し続けている。
SHOP INFO
原宿/PAPIER LABO.
@papierlabo.tokyo
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◎Photo / Kawaharazaki Nobuki
mina2024年11月号より
商品情報は取材時のもので、記事をご覧になったタイミングで変更となっている可能性があります。