2021.12.30

本格和食を肴に人気の名酒をワイングラスで飲ませる店<日本酒バル チンタラ>

mina本誌で美味しいお酒が飲めるお店を紹介する「東京深酒場」連載より、渋谷で日本酒と本格和食をカジュアルにいただける日本酒バルを紹介します。

 

 

勇気を出して突き進めば素敵な店が待っている

渋谷駅を出てスクランブル交差点を過ぎ道玄坂を上がっていくと、右手に百軒店(ひゃっけんだな)という商店街がある。周囲をラブホテルに囲まれ、ストリップ劇場や無料案内所が建ち並ぶディープなエリアだ。かつては、若者文化の中心地だったというけれど、現在、その歴史を物語るのは、昭和元年創業の名曲喫茶ライオンと、昭和26年創業のインドカレー店ムルギーのみ。渋谷の中心地がよそへ移ると徐々にピンク街化していったのだとか。

 

 

バルだと思って入ったらレベチな料理に驚き!


白子の鮮度とあん肝の美しさにうっとり。相盛りぽん酢 1,320円

 

 今回お邪魔したのは、そんな百軒店で創業8年になるという日本酒バル。逆さに収納されたワイングラスや、木目調のすっきりとしたテーブル席など、一見、日本酒を謳う店には見えないが、バルのようなカジュアルな雰囲気で、ツウな限定日本酒や本格的な創作和食がいただける日本酒専門店なのだ。当然、酒のラインナップはさすが。話題の日本酒にだって出合えるかもしれない。しかし驚くのは料理。「日本酒は食事と一緒に味わうものなので、料理にはこだわっています」という店長、神田彰さんの言葉どおり、メニュー表には同じ価格帯の居酒屋とは一線を画す創作料理が並ぶ。センスのいい器に盛り付けられた洗練された創作和食の数々は、出てくるたびに感動さえ覚える美しさだ。

 最後に、こんな立地だから安心材料をもうひとつ。各席には招かれざる客への注意書きがあり、目に余る客には退店の勧告も辞さない。「5名以上の団体は、コロナウイルスの流行に関係なくお断りしてきましたが、4名であっても合コン利用は必ずうるさくなるのでお断りしています」という言葉からは、場所柄、店の雰囲気作りに細心の注意を払って営業してきたことが窺える。かといって、常連ばかりの入りづらい雰囲気を作らないよう、店側から客への声かけは行わないのだとか。一見さんでも入りやすく、女子同士でも快適に飲めて、提供する酒と和食は一流。mina読者の日本酒入門にうってつけの店だった。

 

 

和洋折衷なデザートが常に数種類。紅葉した葉にも秋を感じるあんぽ柿のデザート、柿バター 660円

 

 

撮影した料理に合わせる日本酒を選んでもらった

右は玉川自然仕込山廃純米ビンテージ。熟成酒のこくをぶり大根に合わせたい。中央は新政酒造の陽乃鳥。柿バターにはこの甘みが合う。左はにいだしぜんしゅの秋あがり生詰酵母無添加。白子とあん肝の濃厚さをすっきりと締めてくれる。ちなみに店長の神田さん一番のお気に入りは陽乃鳥。

 

見たことある、聞いたことある名酒がいっぱい


新政の限定酒各種、而今、澤屋まつもと、十四代、讃岐くらうでぃ、にいだしぜんしゅなどなど、確かな目利きによる名酒揃い。酒の特徴や相性のいい食材などの情報が文章でまとまっているから、選んだ食事に合わせて飲みたい酒が自分で選べる。

 

日本酒バル チンタラ

住所:東京都渋谷区道玄坂2-19-3-1F
☎03-6427-8183
【Instagram】chintara_shibuya
【お客の男女比】4:6
【おひとり様の割合】1割以下
【席数】22
【混雑する日】19〜21時
【日本酒1杯】770円(90cc)
【お通し】550円
【ランチ営業】なし
【現金以外の支払い対応】クレジットカード、交通系IC、PayPay

 

今月の独り言
ワイングラスで飲むと日本酒の香りがよりわかるんだって。店の中が丸見えなガラス張りの間口とお客の女子率の高さで、和食や日本酒に特有の敷居の高さがまったくないのが魅力でした。

 

◎撮影/川原﨑宣喜

MAGAZINE

mina 2022年12月号

COVER STORY

あの街、冬さんぽ。/
清野菜名

  • ◆行くなら、やっぱり温泉宿。
gototop