2025.04.25

世にも可愛いミャクミャクコラボ物語。

大阪・関西万博の公式キャラクター・ミャクミャク。その個性的なルックスは、見れば見るほど愛着が湧くと、ファンが続出。いまやグッズが街に溢れているけど、万博開幕に合わせ、また可愛いミャクミャクコラボが生まれていた! なかでも気になる3つのミャクミャクに迫ってみました。

ミャクミャク張子 6,600円/2025大阪・関西万博会場内オフィシャルストア西ゲート店 KINTETSUのみで販売(中川政七商店)

 

What’sミャクミャク?

細胞と水がひとつになって生まれた不思議な生き物で、赤い部分が細胞、青い部分が清い水。いろんなかたちに姿を変えることができ、今の姿は人間をまねた姿。(公式HPより)

 

01_ミャクミャク コウゲイ

工芸品に変身したミャクミャクはまさにアート!

(左から)手漉き和紙のミャクミャク 77,000円(りくう)、鍋島焼のミャクミャク 550,000円(虎仙窯)、錫のミャクミャク 49,500円(能作)、硝子のミャクミャク 192,500円(菅原工芸硝子)/以上中川政七商店オンラインショップ、中川政七商店 近鉄あべのハルカス店、2025大阪・関西万博 会場内オフィシャルストア 西ゲート店KINTETSUにて販売(中川政七商店)

 

水にまつわる日本の工芸の超絶技巧が光るミャクミャク

1925年のパリ万博に手製の麻織物を出展した歴史がある中川政七商店。

「ちょうど100年後という節目の大阪・関西万博でも、日本の工芸の魅力を世界に届ける機会があればと思っていたところ近鉄百貨店さんに声をかけていただき、製作に至りました。ミャクミャクは細胞と水がひとつになった生物ということから、水にまつわる素材やデザイン、製作過程で水が欠かせない工芸品との組み合わせを企画しました」(羽田さん)

『超絶技巧シリーズ』は、ミャクミャクを日本の工芸で表現したオブジェ4種。

「佐賀県伊万里市発祥の鍋島焼は、『青海波』など水にまつわる文様がミャクミャクとつながると思いました。職人さんがひとりで一筆一筆描いた細かい絵付けが見どころですが、実はミャクミャクの形をつくるのも大変で。9つのパーツに分けて焼き上げ、それを組み立てているんです」(岩井さん)

「小さな目を、何度も何度もガラスを温め直してひとつひとつボディにつけるという、細かい表現が大変でした」(羽田さん)というのは、水のように透き通るガラスのミャクミャク。溶かしたガラスを伸ばして曲げて……と、フリーハンドで形づくっていったそう。

「つくったことがない形だったので、どれも製作は大変だったんですけど、つくり手さんたちから、技術の幅が広がったと言ってもらえたのが嬉しかったです」(羽田さん)

ミャクミャクというキャッチーな存在が、日本の工芸の凄さに改めて気づかせてくれます。

 

ウラガワ

01_固まる前は柔らかい液体という点から企画された錫。「重さのある素材なので、しっかり立たせるための形づくりに苦労しました」(羽田さん)。

02_紙をすく工程で水が欠かせない伝統的な和紙と組み合わせたミャクミャクは、光をかざしたときの透け具合と温かみのある合いがポイント。「3Dメッシュ状のミャクミャクに、ひとつずつ手で紙をすいて形づくりました」(羽田さん)。

 

 

日本工芸の温かさを感じる、生活に馴染むミャクミャク

1_瀬戸焼のおミャクじ 1,650円(瀬戸陶芸社)、2_ミャクミャク扇子 5,500円(メルクロス)、3_ミャクミャク豆皿 有田 各2,750円(ヤマト陶磁器)、4_ミャクミャクだるま 各5,500円(三代目だるま屋ましも)、5_ミャクミャク風呂敷 4,510円(三陽商事)、6_注染こてぬぐい 各1,485円(注染工房)、7_小田原鋳物のミャクミャク鈴 3,630円(柏木美術鋳物研究所)、8_ミャクミャク豆皿 美濃 各2,750円/以上2025大阪・関西万博会場内オフィシャルストア 西ゲート店KINTETSUのみで販売(中川政七商店)

 

アートピースのようなオブジェ以外に、身近な生活に馴染む工芸品に変身したミャクミャクもいます。中川政七商店と近鉄百貨店によるコラボアイテムです。

「ラインナップは、日本の工芸をはじめて知る人が手に取りやすいアイテムとのコラボを考えました。ミャクミャクのポップなデザインや色味が、工芸品にマッチするように工夫しました。ミャクミャクのデザインを一度手で描きおこすことでゆらぎを表現したり、赤と青の色味を少し渋めな方向にずらしてみたり」(羽田さん)

「手ぬぐいは、ミャクミャクを波文様に忍ばせるなど、とくに工芸的なデザインへの落とし込みにこだわりました。さりげなくミャクミャクが入り込んでいることで、手に取りやすくなる人が増えるかなと思っています」(岩井さん)

「おみくじ入りの瀬戸焼の『おミャクじ』は、言葉先行でつくりたい! と製作し始めましたが(笑)、楽しいイベントを盛り上げるような内容のおみくじにしました」(羽田さん)

万博が終わったとしてもずっと使いたくなる、暮らしに馴染むミャクミャク。工芸品とミャクミャクのコラボは、手仕事ならではの温かみを感じるものでした。

 

ウラガワ

01_鋳物のお守り鈴は、落ち着きのある風合いに仕上がった。

02_ミャクミャク豆皿は有田焼と美濃焼の2種類。手描きらしい、あえてのゆれのあるラインが馴染み、いい味わいになっている。

03_ミャクミャクだるまは「5種類あり、それぞれお腹に書いてある願いが違います。また、ミャクミャクの5つの目を自分で描き入れられるバージョンもあります」(羽田さん)。

 

お話を伺ったのは…

中川政七商店デザイナー 

▶羽田えりなさん ▶岩井美奈さん

 

 

02_ミャクミャク ホテル

「変なホテル」コラボルームでミャクミャクと眠る

 

壁に、枕に、テーブルに・・・・・・部屋中どこもかしこもミャクミャクだらけ!

ミャクミャクとのコラボルームを展開するのはHISホテルホールディングス。運営する『変なホテル』の関西圏6ホテルで宿泊プランが発売されています。

「2月から開始しましたが、家族連れなどに大変好評です。枕元にあるぬいぐるみに顔を入れて、SNSに載せるのが定番になっているようです」(増田さん)

ぬいぐるみのほか、ヘッドボードにはアクリルスタンドがズラッと並び、ベッドのフットスローにもミャクミャクがデザインされています。

「フットスローには寝ているミャクミャクをあしらいました。寝ている姿のグッズはけっこう珍しいんです。また壁の絵は、ホテルがある土地の観光地をデザインして、土地柄を表現することも意識しました。どのホテルも交通の便がいいので、観光の拠点としても使いやすいと思います」(増田さん)

宿泊者には特別なグッズのプレゼントもあるとか。ミャクミャクに囲まれるレア体験をしてみたいなら急いで!

 

ヘッドボードに並ぶアクリルスタンドは、ほぼ全ポーズのミャクミャクが見られる。アメニティのマグカップのほか、トランプ、けん玉、書籍など、宿泊中に遊ぶことができるアイテムも。けん玉は外国人観光客にも好評とか。

 

information

1室1泊朝食付き22,500円~、素泊まり21,000円~

変なホテル大阪 なんば、変なホテル大阪 心斎橋、変なホテル奈良、変なホテル京都 八条口駅前、変なホテルプレミア京都 五条烏丸、変なリゾート&スパ  関西空港にて展開

 

お話を伺ったのは…

HISホテルホールディングス

▶宿泊事業部部長 増田 誠輝さん

 

 

03_ミャクミャク ブング

使えるステーショナリーなら間違いない!

1_ジェットストリーム 0.7mmボール 550円、2_ジェットストリーム 4&1 0.7mmボール&0.5mmシャープ2,530円、3_クーピーペンシル12 1,760円、4_ツバメノート 550円、5_アラビックヤマトのりミニ 550円、6・7・8_クルトガアドバンス 0.5mmシャープ 各1,650円/以上ヘソプロダクション

 

可愛いだけじゃなく、日本ならではの機能も兼ね備えたミャクミャク

可愛くて、使える! そんなコラボアイテムはファンじゃなくても欲しくなる。それを制作したのは、たくさんのミャクミャク公式ライセンス商品を企画・制作・販売しており、万博会場でも公式グッズを扱うヘソプロダクション。

ミャクミャク商品で日本のいいものづくりを世界に発信できたらと思い、世界から見て高品質で魅力的なアイテムとは? というところからステーショナリーに行き着きました。ただ、ステーショナリーって表現のスペースが限られることが多いんですそこにミャクミャクや万博感をうまく表現することにこだわりました」(稲本さん)

さらに今回紹介しているアイテム以外にも、万博会場ではレアなアイテムが並ぶのだとか。

「記念となるイベントですし、付加価値をつけるのは大事かなと思いました」(稲本さん)

会場でしか出会えないミャクミャク、気になります。

 

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万博会場ではミャクミャクカラーが登場!?

ミャクミャクアメと名前を変えたお馴染みのパインアメ。オンラインショップでは黄色1色ですが、万博会場では別のカラーバージョンが! ミャクミャクアメ缶 1,296円/ヘソプロダクション

 

お話を伺ったのは…

ヘソプロダクション

▶代表取締役 稲本 実さん

 

 

Photo / Shida Yuya(中川政七商店工芸品、ヘソプロダクション文具分

 

2025年mina6・7月号より

記事に掲載されている情報は取材時のもので、記事をご覧になったタイミングで変更となっている可能性があります

MAGAZINE

【2025年6・7月合併号】CONTENTS/特集:街はコラボで溢れてる! 表紙:emma

COVER STORY

STORY of WEEKEND
THE ORIGIN of COLLAB emma
コラボが生まれる街、原宿。

  • ◆×apparel brand違うから面白い。スタイルが響き合うコラボ服の話。
  • ◆×artistさりげないセンスが光るアーティストコラボ
  • ◆×eyewear brand 別注カラーや特製フレームで、ちょっぴり個性を!
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