mina本誌で美味しいお酒が飲める店を紹介する「東京深酒場」連載より、渋谷にある焼き鳥店を紹介します。
手ごろで美味しい! 多くののんべえに愛されてきた名店
渋谷マークシティ裏手にある鳥竹総本店は、この場所で59年親しまれている焼き鳥店。道に面した焼き場からは、今日も炭火で焼くいい匂いが漂ってくる。創業したのは現店主、間島さんの父。老舗焼き鳥チェーンで腕を磨いたのち、周りのあと押しで鳥竹を創業。その後、サラリーマンのオアシスとして人気となったが、ここ数年は20代や女性のおひとりさま、家族連れも増えてきたとか。
店内はテーブル席のほか、しっぽり飲めるカウンターや夜だけ開けている畳敷きのフロアもあるので、いろんなシーンで使えるというのも魅力。3フロア120席と大型店にもかかわらず、週末は正午のオープンと同時に満席になる盛況ぶりだ。
注文が入ってからじっくりと焼く焼き鳥は、1本ずつ串に打つところから仕込む。ふっくらと焼けた肉にかぶりつけば、鶏の旨みと染み込んだたれの甘さが口いっぱいに。「シンプルな料理だからこそ、鶏肉の鮮度と長年焼きを担当している職人の絶妙なさじ加減が美味しさを決めます」(間島さん)。一般的な焼き鳥の2倍はあろうかという大きさは、お腹いっぱいになってほしいという創業者のこだわりなのだそう。
いつ行っても変わらない懐かしい味が待っている
のんべえに嬉しいのは、焼酎ロックを頼めばグラスになみなみ注がれ、生ビールは小サイズが中ジョッキほど、さらにサワー類は、炭酸と焼酎の割合が半々という気前の良さ。1杯でほろっと酔えて、串2本程度でお腹も満足。さらに価格も手ごろだから、訪れた人が心を掴まれるわけだ。「飽きないように変化させる良さもありますが、うちはずっとメニューも味も変えていません。それは親子数世代にわたって来てくれる常連さんや、数年ぶりに顔を出してくれるお客さんがいるから。みなさんの舌が覚えている“変わらない味”を、これからも従業員たちと守っていこうと思います」。
大衆に愛されてきた名店は、これからもこの街と歩み続ける。
串は鶏とねぎを交互に刺した焼き鳥(330円)と、青じそが香るふんわりとした自家製つみれを詰めたピーマンの肉詰め(385円)が定番。
実は、鍋料理も名物。肝なべや水炊きなど数種あるなかで、一番人気は鶏ももや胸肉、野菜を割りしたで煮込むすきやき風の鳥鍋。写真は一人前だが、ふたりでシェアするのにちょうどいいボリューム感だ。具材は単品で追加注文もできる。1,320円。
お酒がすすむぷりぷりの鶏皮とピーマンの炒めもの(682円)は、どっさり載ったねぎと一緒に。
串は1本からOK! 持ち帰りできる弁当もいろいろ
昼夜ともに、店外のテイクアウトカウンターにはひっきりなしに人が訪れる。メインはたれがたっぷりかかった焼き鳥弁当やうなぎ弁当、チキンライスなどの弁当類。もちろん焼き鳥などの焼き物もテイクアウト可能で、注文時にお好みで塩とたれを選ぶこともできる。
鳥竹総本店
住所:東京都渋谷区道玄坂1-6-1
定休日:なし
☎03-3461-1627
【お客の男女比】6:4
【おひとり様の割合】1割
【席数】120席
【混雑する日】金曜18時半〜、土曜、日曜
【ビール1杯の価格】561円〜
【お通し】198円
【ランチ営業】あり
【現金以外の支払い対応】クレジットカード、iD、交通系IC
◎撮影/野呂美帆 ◎取材・文/金城和子
価格は税込です。店舗情報、商品情報は取材時のもので、記事をご覧になったタイミングで変更となっている可能性があります。