2022.11.08

週末は映画館で脳内トリップ『アフター・ヤン』

 

映画コラムニストの新谷里映さんが厳選した、mina女子におすすめの作品を紹介します。

 

記憶にある思い出と記録された映像の違いを考えさせられる

スマホが当たり前になったように、AIロボットも当たり前の世界だったら……。『アフター・ヤン』は、アートハウス向けの良作で映画賞レースを活気づけてきた気鋭の製作・配給会社A24によるSF映画です。

 

過去にこのコーナーで紹介した『レディ・バード』『WAVES/ウェイブス』『ミッドサマー』もA24の映画でした。何が言いたいかというと、中には少々尖った映画もありますが、A24=面白さが確約と言っても大袈裟ではないんですね。

 

 

今回の『アフター・ヤン』はSFですが、私たちの生活と地続きの世界が描かれるヒューマン・ドラマでもあります。タイトルにある”ヤン”とは、”テクノ”と呼ばれる人型ロボットのこと。ヤンは、茶葉の販売店を営むジェイク(コリン・ファレル)と妻のカイラ、中国系の養女ミカと暮らしています。ミカにとってはベビーシッターであり兄のような存在でもありました。

 

けれどある日、突然の故障で動かなくなってしまいます。新しいロボットに交換するのではなく、できることなら修理をしたいと模索するなかで、ヤンのメモリには、彼の秘密、彼の過去、彼の真実が記録されていることが分かり……。

 

 

これまでにも人間そっくりのAIが登場する映画はありましたが、今回は見た目の境目がなくなることで、人とAIの違いは何なのか、人間の記憶と機械的な記録との違いはあるのか、深く考えさせられるのです。

 

 

TOHOシネマズ シャンテほか全国公開中
出演:コリン・ファレル、ジョディ・ターナー=スミス、ジャスティン・H・ミン、マレア・エマ・チャンドラウィジャヤ、ヘイリー・ルー・リチャードソン
配給:キノフィルムズ
©︎2021 Future Autumn LLC. All rights reserved.

 

▶︎案内人は……
新谷里映さん

映画ライター・コラムニスト。音声プラットフォームVoicyにて『シネマのなかに見えるもの』配信中。
Twitter @rieshintani

 

記事に掲載されている店舗情報 (価格、営業時間、定休日など) は取材時のもので、記事をご覧になったタイミングでは変更となっている可能性があります。

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mina 2024年11月号

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IN MY TOWN 古川琴音 私の街で、ニットと暮らす。

  • ◆ニットで身軽にふたり旅。
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