2022.10.28

【インタビュー】ガールズクリエイターズヴォイス(コラージュ/映像デュオ onnacodomoさん)

 

「好き」をカタチにする“ガールズクリエイター”をクローズアップする本企画。第1回目は、変幻自在な活動で話題のクリエイターユニットonnacodomo。今注目のおふたりにお話を伺いました。

 

音楽に合わせて即興で動く絵を作ったのがはじまり

 

Q.onnacodomoをはじめたきっかけは?

せきさん:元メンバーに、ライブやイベントのその場にあるものを使って生でVJをやろうと誘われたのがきっかけ。ふたりになってからは5年くらいです。

野口さん:ユニット名は当時ノリで付けたんですが、“弱い立場からの反逆児”みたいな雰囲気が気に入っています。

 

Q.ふたりの役割はありますか?

せきさん:映像、編集、あとは最後に落とし込む時の役割くらいですね。

野口さん:onnacodomoのものを作るときには、もうふたりともonnacodomoなんですよね。

 

Q.コラージュにこだわっている理由は?

せきさん:こだわってないからできるのかもしれません。もともとはVJをするとき、カメラ1台でその場でパーツパーツを動かして止まって……を行っていたところから、コラージュなどの平面的なビジュアルをするようになったので。

野口さん:ひとつの作品を作る意識よりも、即興でどんどん動く絵を作っていく意識のほうが大きく、それがすごくやりやすかった。そして、ふたりでやれるものがコラージュでした。その瞬間に流れていた音がこうだったからこれを出した、みたいな自分の中にあるものじゃない「偶然をキャッチしてそれに応える」感覚です。

せきさん:他の人とやるという点でも、コラージュは一番やりやすいのかなという気がしますね。

 

コラボはいろんな人が関わって作る感じが楽しい

 

Q.コラージュに使用している素材はどんなものですか?

野口さん:基本は紙を使うことが多いですが、粘土を使ったり立体を使ったり何でも使います。作るものによって変わりますね。紙の素材は日々集めているので、10年選手、20年選手の紙もあります。旅先で集めたりもしますね。

せきさん:たまたま古い雑誌が手に入ったら、そこから切り取ったりすることも多いです。国内外いろいろあります。

 

Q.コラボが多いのも特徴かと思いますが。

野口さん:もともと、音楽に合わせてその場で絵を作るということから始まったので。たとえば『MATKA』の陶器にコラージュしたのも音楽が陶器になった、そんな感覚ですね。

 

せきさん:『MATKA』はもともとふたりともが大好きなブランドなんです。あと、最近では『MANUAL』や、『71 MICHAEL』というブランドともコラボさせてもらいました。ちょうどタイミングよくいろんな方とご一緒させていただいて。

野口さん:アパレルにビジュアルの提供するご依頼をいただいたり……、コラボはいろんな人が関わって作る感じが楽しいですね。

 

2019年からコラボしている『MATKA』の陶器にコラージュをあしらった作品。

 

 

蓄積してきた「好き」を出すその「瞬間」がクリエイティブ

 

Q.最近の活動で一番印象的だったのは?

野口さん:4月に初めて『STILL IMAGINE』(TANG DENG刊)というアートブックを出版したことですね。今までに制作した平面とコラージュのアーカイブと、新作がギュッと詰まった、この5年の集大成という感じのものです。

せきさん:コロナ前は映像中心だったんですが、最近は平面のコラージュが増えてますね。

 

Q.あらためて、onnacodomoらしさとは?

野口さん:ほかのコラージュ作家さんに「すごい明るいね」って言われるんです。それは、自分が思っていることを全部出した作品じゃないからかなと、思います。可愛いと言われることもあって、そういう風に言ってもらえるのはすごく嬉しいですね。

せきさん:日記的にするのではなく、私たちのコラージュはそれよりもうちょっと「遊び感覚」が強いのかもしれません。

 

野口さん:展示もギャラリーとかよりも、ストリートカルチャーがある場所でやりたいですし。テーマでいうと「自由」なのかな。人の評価を気にしたり、作品を出してどうなりたいとか、どうなりたいからこの作品を世に出すという考え方はなくて。自分の中に蓄積してきた“好き”がいっぱい集まって、それを出す瞬間がポジティブなクリエイティブ。そう思っています。

 

1.onnacodomo exhibition『LET OUT』のときに作ったZINE。2.シルクスクリーンアーティスト『MANUAL』とのコラボ作品。3.AからZまで各アルファベットをモチーフにした「AtoZシリーズ」。4.京都で開催された『WE TRADE.POP UP SHOP』に出品したコラージュ作品のプリントをパウチしたキーホルダー。

 

_瞬間が生む、自由で奇妙で先鋭的なもの。それがonnacodomo。

今年から来年にかけてPOP UPで国内をまわる予定。そこでどんな出会いがあり、新しい「瞬間」を見せてくれるのか楽しみです

 

 

onnacodomo
@onnacodomo

グラフィックアーティスト・野口路加と映像作家・せきやすこによるユニット。即興性のある独自のVJパフォーマンスで活躍。藤原ヒロシ、のん、OKAMOTO’S などの映像ディレクションや、コラージュ作品も制作。

 

◎撮影/川原崎宣喜 ◎取材&文/橋本いずみ

価格は税込です。店舗情報、商品情報は取材時のもので、記事をご覧になったタイミングで変更となっている可能性があります。

MAGAZINE

mina 2024年4・5月合併号

COVER STORY

冬が過ぎたら。/川栄李奈

  • ◆春に着たい「くすみ色」。
  • ◆街とアウトドア服
gototop