2026.02.26

坂東希、明るく生きてます! アーティストから俳優への転身で見えたもの

小学生から芸能活動をはじめ、ガールズダンス&ボーカルグループでの華々しい経歴をもつ彼女。5年前にグループの解散が決定し悩んだ末に選んだのは、俳優業への転身だった。激動の10代 、20代を駆け抜け、ふっと肩の力が抜けた28歳。驚くほど客観的に、的確に、感情を言語化してくれた。

 

 

俳優という新たな道でもがき悩んだ3年間

10代のころから在籍していた E-girlsが解散し、事務所を移籍。振り返ると、いかにグループや事務所のネームバリューに守られてきたかを痛感した3年間だった。本格的に演技の仕事に取り組みながらも、なかなか手応えを感じられなかったのだそう。

 

「解散前の最後のアリーナツアーが終わったときに、これ以上の経験ってないかもしれないって燃え尽きたような感覚があったんです。解散後、もう一度一生懸命になれることってなんだろうと考えて、事務所を移籍して、本格的に演技の仕事に取り組んだけど、はじめからうまくいくわけなくて。周りの人は、まだ若いしいくらでもチャレンジできるよって言ってくれるけど、思うようにいかないことばかりで、自信がもてなかったんです。10代のときの体験が、よくも悪くも強烈だったから、解散してしばらくは、自分のことを〝終わった人〟扱いしてました。どうやって新しくキャリアを重ねていくのかわからなかったし、新しい世界に尻込みしちゃう自分がいたんですよね」

 

 

試行錯誤を繰り返していたが、転機が訪れたのが Netflixの恋愛リアリティショー『韓国ドラマな恋がしたい』への出演。常にカメラがまわっているという撮影スタイルに戸惑う共演者がいるなか、まったく臆せず振る舞えたことが自信になったという。

 

「E-girls時代はダンスの練習とか楽屋とか、オフの場面でもメイキングムービー用にカメラがまわっていることが当たり前だったから、素の部分をカメラで追われることに耐性があったんですよね。そのときに、演技の仕事歴はまだ浅いけど、私なりの長所とか戦い方があるんじゃないかと思えて。今までやってきたことや自分自身のことを肯定できるようになったんです」

 

 

冷静に自己分析をし的確に言語化する姿は、見た目の柔らかい雰囲気からは想像できない意外な一面だ。理由を聞くと、ずっと続けているジャーナリングのおかげかも、と続ける。

 

「もやもやしたり疑問がわいたときは、感じていることをそのままノートに書き出すと、根っこにある原因がわかるんです。些細なことでも言語化して、なぜこういう気持ちになったのか、整理する。人や状況に対してもやもやしたときは特にですね。どんな状況でも、人のせいにするのは簡単だけど、自分にもできることがあったんじゃないかっていう視点で自己分析すると、自分に対する理解も深まるし。結果的に人への接し方や状況がよくなると感じます。移動中や出先なら、スマホのメモに打ったりもしますよ」

 

 

 

違う業種の人たちとの交流でプレッシャーから解放された

異なる業種の人との交流が増えてから、さらなる心境の変化があった。美味しいものを食べながら他愛もない話を楽しむうちにプレッシャーから解放され、後ろ向きだった気持ちが吹っ切れたそう。

 

「同業の人に会うとやっぱり仕事の進捗が話題になるから、最近どう?って聞かれるのが無意識にプレッシャーになっていたんだなって思います。やりたいことをやっているのに報告できることがなくて、へこみながら帰ることもあったし。だけど、共通言語がまったくない人とは、純粋に楽しめて心にゆとりが生まれたんです。そうやって個人の時間と仕事を切り離して楽しめるようになったのも、個人で活動するようになってからのことかな。若いころは頑張ることが美徳という風潮があったし、休日はあったけど、常に自分を磨いていなきゃという意識があったんですよね。

 

今はそんな気持ちがゆるんで、オンとオフを切り替えて過ごせるようになりましたね。もう大人なんで(笑)。ねこ(愛犬)とのんびりしたり、ワインの資格を取ったり、仕事以外の楽しみも増えています。この間は、元メンバーの武藤千春が住んでいる長野県小諸市でワイナリーのボランティアをしてきたんですよ! ワインの勉強をしていたら生産現場にも興味がわいて。生産者さんのお手伝いをしながら汗を流して、すごく楽しかった」

 

「ワインの資格 WEST® レベル2に合格しました! 受験したWSET®はアルコールにまつわる世界最大の教育機関がやっている試験です」

 

「ねこを迎えたのはグループの解散が決まってから。名前の由来は、変な鳴き声です。はじめは男の子っぽい名前にしようと思っていたんだけど、よく喋るっていうか変な声出すやつだな〜と思ってたら、いきなり“にゃぁ! ”って(笑)。その瞬間に、ねこに決定しました」

 

 

心境の変化は、ファッションにも表れる。以前は服選びが自己表現の一部だったけれど、最近では、古着屋さんでノリで選ぶことがほとんどとか。

 

「グループにいたころは、ファッションで個性を表現したいと思って選んでいたと思います。私の定番服は、コムデギャルソンで、デザイナーの川久保 玲さんが女性で第一線で活躍されている姿に憧れて、私もこんなふうに自分の足で立つんだ! と、鎧をまとうような感覚で着ていました。大好きなブランドですが、今は背伸びせず、もっと幅広いテイストを直感で楽しむようになりました。そういう意味で古着屋さんがちょうどいい」

 

「トレンチコートは rokhとH&Mのコラボで、インナーは古着。スラックスはユナイテッドアローズ。靴は Camperは革が柔らかくて歩きやすいから何色も持っています」

 

 

 

たどりついたのはお芝居が好きという純粋な気持ち

仕事における葛藤や模索、プライベートの充実を経て、自分のやりたいことはやっぱりお芝居なんだと思えたそう。

 

「なんだかんだ、この世界が好きだなって。もちろん売れることは大事だけれど、そのぶんプライベートが制限されたり失うものがあることも経験してきたので、いまは知名度や露出の多さより、一緒に仕事をしてよかったと思ってもらえる人でありたいという気持ちが原動力です。そして、こんな私を応援してくれる人のためにも頑張っていきたいと思います。古くからのファンの方に、私が出演したことで舞台の楽しさを知ってもらえるのも嬉しいし。みんなと元気に歳を取っていけたらいいなと思っています」

 

気負いなく朗らかに語る姿に迷いはない。見据える先に、彼女なりのセカンドキャリアが待っている。

 

 

 

 

PROFILE

坂東 希

Instagram:@nozomi_bando_official

1997年9月4日、東京都生まれ。ダンス&ボーカルグループのE-girls、Flowerにて活動。グループ解散を経て2023年に事務所移籍、本格的に俳優業に取り組み、映画、ドラマ、舞台など精力的に活動。YouTubeチャンネル『のんさんぽ』(https://www.youtube.com/@nonsanpo)では日常や旅の様子をゆる〜く公開中。

 

 

 

 

Photo / Takahashi Mariko Text / Kanashiro Wako

※衣装はすべて本人私物です。

 

2026年mina2・3月合併号(2026年1月20日発売)より
記事に掲載されている情報は取材時のもので、記事をご覧になったタイミングで変更となっている可能性があります

 

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東京下町、いいモノ探し。

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