著名人の着用、ハイブランドのサンプリングなどが影響し、年々高騰している古着T。今、mina世代が気軽に取り入れられるのはどんなもの? 古着Tを専門に扱うanytee(@anyteeshop)の代表、高橋さんに話を聞いてみました。
人気が集中するものは避けて古着Tの魅力を堪能しよう
バンドTや映画Tは人気のものだと数十万にも。まだ人に気づかれていないジャンルで、グッドクラックやグッドフェードな1枚を狙うのが、mina世代のリアルな楽しみ方だと高橋さんは言う。
「お菓子やお酒がモチーフになった企業Tは、デザインが可愛いものが多くておすすめ。古着の味わいを楽しむなら、ブート品を選ぶのもいいと思う。注意すべきは脇のシミ。穴や首のよれは味だとしても、脇に残った制汗クリームの跡はなかなか落ちないから、買う前に自然光の下で確認しておくのがベスト」
大きいサイズほど需要が高いが、今後はハイブランドが続々と打ち出している“ジャストサイズ”の流れが古着T市場にも影響しそう。
「M〜Lサイズは、男性に買われる前の今がチャンス!」
今更聞けない用語解説
クラック
着用や洗濯を繰り返すことでプリント部分に起きたひび割れのこと。唯一無二感を後押しする渋いディテール。デザインポイントとして新品のTシャツにわざわざ加工で取り入れられることも。
フェード
ブラックをはじめカラーボディのTシャツに見られる、日焼けや洗濯によるボディの色褪せのこと。全体の色が落ちていることもあれば、写真のように部分的に焼けていることもあり、いい味になる。
ブート
当時、肖像権や著作権を持たないファンが非公式に制作したもの。権利元がつくったリアルヴィンテージに比べ価格は安い傾向にあるが、ヴィンテージに劣らない粋なデザインも見られる。
1、映画T
高橋さんが顧客から譲り受けた、映画『LEON』のTシャツ。非売品だが、価格をつけるならウン十万とも。
2、企業T
企業がPRや贈答用に制作したTシャツ。写真はアメリカ最古のチョコレート会社、ハーシー社のもの。目を凝らすと、キスチョコの銀紙を連想するシルバーラメのプリントが。価格帯的にまだ手に入れやすい狙い目ジャンル。XL 19,800円
3、バンドT
海外の著名人が青春時代などに聴いていたバンドのTシャツを着始めたことで、人気に火がついた。たとえば、今レッチリのリアルヴィンテージを探そうと思えば、なんと30、40万の世界なんだとか……。ニルヴァーナ、ピンク・フロイド、シャーデーなど、メジャーなアーティストほど人気。
(左上) Pink Floyd(1998)
1973年リリースの名盤『The Dark Side of the Moon』のプロモーション用Tシャツ。シミや小穴が見られるものの、大胆な日焼けが味わい深いグッドフェードな1枚。XL 39,600円
(右上)Pink Floyd(2005)
ピンク・フロイドの歴代ジャケットが引用された、マニアにはたまらない粋なデザインのTシャツ。同じバンドのものでも、年代やサイズによって価格の相場は変わってくる。L 27,500円
(中央)The Psychedelic Furs(1987)
80年代に全盛期を迎え解散した、ザ・キュアーと並ぶポスト・パンクバンド。ここまでアーティストの肖像が大きく使われているのはこの時代ならでは。XL 77,000円
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