2023.07.13

【コラム】雑貨店PKP店主の『韓国クリエイティブ』のお話。 第5回「韓国雑貨とPKPについて」

 

こんにちは。東京・高円寺にある韓国雑貨店『雑貨屋PKP』の店主です。韓国の作家さんやクリエイティブ事情をお話するこの連載は、今回が最終回となります。最終回は韓国雑貨について、そして私のお店『雑貨屋PKP』についてお話したいと思います。

 

 

私と韓国雑貨の出合い

私が韓国に興味を持ったきっかけは、2010年に友人からお土産でもらった韓国のマスクシートです。そこから一気に韓国コスメにハマったことで、年に4、5回は韓国へ行くようになり、2014年にはソウルのホンデにある語学学校に約2ヶ月の短期留学をするほど韓国が大好きになりました。当時の日本はというと、K-POPアイドルや韓国俳優のファン以外で、韓国に興味がある人はほとんどいなかったように思います。

 

その翌年、2015年に見た韓国のドキュメンタリー映画『パーティー51』をきっかけに、今度は韓国のインディーズバンドに熱中していきました。それから頻繁にソウルのライブハウスや音楽イベントへ行くようになると、「なんでこんなところに日本の子がいるの?」と、みんなが珍しがりながら仲良くしてくれて、韓国人の友人がだんだん増えていきました。そんなある日、ライブハウスでよく会う女の子に「今度私のアトリエに遊びに来なよ!」と誘われたのです。その一言が、私と韓国の作家さんが作る韓国雑貨との出合いとなりました。

 

それから、韓国に行くときは友人の展示を見に行ったり、ブックフェアに行ったり、友人づてに作家さんと仲良くなったりという日々を過ごしました。以前はコスメと食べ物がメインだった韓国旅行も、気がつけば友人に会うこと、そして韓国雑貨のイベントに行くことが目的になっていたのです。

 

その頃から、韓国の友人が作ったトートバッグやアクセサリー、イラストステッカーなどを日本で身につけていると、いろいろな人から「これはどこで買ったの?」と聞かれることが多くなりました。「韓国にこんな可愛いものがあるんだ!」という返事が返ってくるたびに、韓国雑貨の面白さや可能性を鼻息荒く説明していたものです。

 

 

雑貨屋のオープンと韓国雑貨への思い

 

数年後の2019年、40代になったことを機に「人生でやり残したことをやろう」と思い『雑貨屋PKP』をオープンしました。当時はまだ韓国雑貨屋というと、民芸品のような布小物や韓国海苔などの食材を扱うお店だと思われることが多く、友人からも「柚子茶とか売っているの?」と聞かれた覚えがあります。

 

しかし2023年の今、韓国雑貨といえば大抵の人が「おしゃれ!」「可愛い!」と思うようになり、たった数年でとても身近な存在に変化しました。それにともなって、韓国と名前がついているだけの韓国風なものまで出現し、ドラマや映画、小説にファッション、あらゆるジャンルで韓国が取り上げられている気がします。

 

 

特に雑貨はその傾向が強く、韓国の作家さんが作ったものと同じデザインの雑貨がそのまま日本のショップで売られていたり、韓国風雑貨という名のコピー商品を見かけたりするようになりました。私はそれらを見るたびに胸が痛み「作家さんが人生をかけて確立したスタイルを簡単にコピーするのは許せない!」と怒っていました。

 

しかし、とある作家さんが「私の過去はコピーできても、これから作っていくものはまだ誰もコピーができない。そういうことに怒りのエネルギーを使うくらいなら、新しい製作にその情熱を使いたい」とおっしゃったことに、とてもグッときました。この言葉を受けて、最近では「ただ雑貨を売るだけではなく、こうした作家さんの思いを伝えることが私の仕事なのでは」と強く思います。

 

 

みなさんと楽しさ可愛さを共有したい

 

韓国雑貨と一言でいっても、さまざまな商品があります。大きなロット数で幅広く流通しているものや、個人の作家さんが小ロットで個人的に販売しているもの。私のお店では、せっかくなら後者を選りすぐって置きたいと思っています。韓国に惹かれて遊びに行くうちに、自然と繋がった小さな縁。それらを大切に「作家さんの思いやバックグランドも伝えられるような雑貨をお客様に共有できたら」と、毎日思いながら店頭に立っています。

 

最後に、この連載では私が特に思い入れのある作家さんたちをご紹介してきましたが、まだまだ大好きな作家さんがたくさんいます。なんとなく始まった私と韓国の不思議な縁ですが、これからもいろいろな人に出会うなかで韓国雑貨の楽しさ可愛さを、みなさんと共有できる人生であったら幸せだなぁと思います。

 

 

運命の出会いを探しに! とっておき韓国雑貨ガイド』

『雑貨屋PKP』の店主、natsuyoさんが監修したガイドブックが販売中。約100店舗にもわたる韓国雑貨の紹介をはじめ、体験可能なワークショップやクリエイターのインタビューも収録しています。韓国ツウからビギナーまで楽しめる、雑貨に特化した今までにない新しいガイドブックです。

 

定価:1,430

販売先:https://www.kadokawa.co.jp/product/322210001461/

 

 

 

住:東京都杉並区高円寺南4-34-10 グランドコート三上101
営:15:00~20:00
Instagram: zakka_pkp
定休日はInstagramTwitterでご確認ください

 

◎構成/稲垣恵美

価格は税込です。店舗情報、商品情報は取材時のもので、記事をご覧になったタイミングで変更となっている可能性があります。

MAGAZINE

mina 2024年4・5月合併号

COVER STORY

冬が過ぎたら。/川栄李奈

  • ◆春に着たい「くすみ色」。
  • ◆街とアウトドア服
gototop