今年はドラマに出ずっぱりの日々だった間宮祥太朗さん。なんと6年ぶりに舞台に出演することとなった。
――出演する『ツダマンの世界』は松尾スズキさんによる2年ぶりの新作で、主演は阿部サダヲさん。他にも江口のりこさん、村杉蝉之介さん、笠松はるさん、見上 愛さん、皆川猿時さん、吉田 羊さんらの名前が。
松尾スズキさんが演出して、このキャストが揃ったら、そりゃあもう濃密な話なんだろうなと。僕が12、13歳くらいのときに『君にジュースを買ってあげる♥』がめちゃくちゃ流行っていて、よくグループ魂のライブやフェスにも行っていたんです。阿部さんや(皆川)猿時さんのことは役者の先輩として見ていますけど、あの頃の自分からしたら、まさか共演するとは……という感じです。
――舞台の魅力とは、どんなところだと思いますか?
映像と違い、舞台では出来事や心象風景を伝えるために、装置を動かしたり、小道具や照明を使ったりして表現するんですよね。かなり前に観た作品ですが、赤堀(雅秋)さん演出の『葛城事件』という舞台では、包丁で刺すシーンをカメラのフラッシュみたいな、チカチカした照明で見せていた。包丁にも赤いビニールテープをつけて、血が出るようにしていたんです。舞台って、こんな見せ方をするんだと、びっくりしましたね。
――時代設定は昭和。演じるのはイメージ的に太宰治のような文学青年で、主人公を振り回す側のひとりとなるそうですね。
全部その通りというわけじゃないんですが、心中したがりなところがあると。参考図書として、太宰治に関する本を読んでもらいたいと言われたので、読んでいるところです。コメディ的要素もあるので、気負わず、リラックスして稽古に臨みたいですね。
阿倍さん演じるツダマンとの関係性がおもしろくなるよう、阿部さんともコミュニケーションを取っていきたい。全然、想像がつかないんですけど(笑)。猿時さんと江口(のりこ)さんとは共演経験があるので、そこは安心感がありますね。
――今作にキャスティングされたことに関してはいかがですか?
顔が古めだからかな(笑)? 自分でもよく生き残ってきたなと思います、この塩顔全盛の時代に。でも昭和っぽく見える顔でよかったです。昭和時代って、人々に胆力があるというか、底力がある印象なんです。
僕はいま29歳ですが、昭和に活躍していた同じ年頃の俳優さんって、もっと大人っぽくて迫力がある。昔の人の記念写真をたくさん見て、バシッと決めているところは意識しています。劇場で、この世界にどっぷり浸って楽しんでもらえるよう、稽古でもしっかり作り上げていきます。
PROFILE
まみや・しょうたろう●1993年6月11日生まれ。神奈川県出身。2008年ドラマ『スクラップ・ティーチャー〜教師再生〜』でデビュー。2022年はドラマ『ナンバMG5』『魔法のリノベ』、映画『破戒』と立て続けに出演。
INFORMATION
舞台『ツダマンの世界』
時代は昭和初期から戦後。戦争未亡人の数(吉田 羊)、弟子志願の長谷川葉蔵(間宮祥太朗)など、小説家の津田万治、通称「ツダマン」(阿部サダヲ)を取り巻く人々が濃密な愛憎劇を展開。
日程:11月23日(水・祝)〜12月18(日)
会場:Bunkamuraシアターコクーン
作・演出:松尾スズキ
出演:阿部サダヲ、間宮祥太朗、吉田 羊ほか
ジャケット 253,000円、シャツ 174,900円、パンツ 97,900円、ポケットチーフ 24,100円、ベルト参考商品/以上エトロ ジャパン
◎撮影/角田 航(TRIVAR) ◎スタイリング/津野真吾(impiger) ◎ヘア&メイク/三宅 茜 ◎取材&文/根岸聖子
2022年mina12月号より
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