2021.12.12

週末は映画館で脳内トリップ〈わざわざ映画〉

映画コラムニストの新谷里映さんが厳選した、mina女子におすすめの作品を紹介します。今度の週末は、映画館で過ごしませんか?

 

 

ロザムンド・パイクの悪党っぷりが凄い!
『パーフェクトケア』

この映画、ロザムンド・パイクの新たなる最高傑作! と言われていますが、彼女を一躍有名にした『ゴーン・ガール』って覚えていますか? アカデミー賞主演女優賞にノミネートされるなど、高い評価を得た映画。ロザムンド・パイクは「お見事です!」と拍手したくなるような怪演で、女のしたたかさと恐ろしさを表現してみせたのです。

 

そんな彼女が『パーフェクト・ ケア』で、またまた強烈なキャラクターに挑んでいるとなれば、観たくなりますよね。演じるのは、法定後見人のマーラ。法定後見人とは、判断力の衰えた高齢者を守りケアすることが仕事ですが、マーラとパートナーのフランは法の抜け穴を見つけて、医師やケアホームと結託して、高齢者たちから資産を搾り取っている”極悪”後見人なのです。しかも脚本・監督のJ・ブレイクソンが、アメリカ国内で実際に起きた事件、法定後見人による搾取のニュー スを聞いたことからこの物語は生まれた、事実は小説よりも奇なりです。マーラとフランは、お金になりそうなターゲットを見つけ出しては施設に入れて財産を管理(=搾取)するわけですが、とある資産家の老女をターゲットにしたことで思いも寄らない展開に……。

 

現実ではマーラのような悪党とは決して出会いたくないですが、演じるロザムンド・パイクの悪党っぷりは、今回もやっぱり「お見事です!」と言いたくなるほど突き抜けている。ここまで残忍で野心的なヒロインはそうそういない、という意味でも観る価値ありです!

 

12月3日(金)より全国劇場【3週限定】公開&デジタル配信開始
出演:ロザムンド・パイク、ピーター・ディンクレイジ、 エイザ・ゴンザレス、ダイアン・ウィースト

配給:KADOKAWA
©2020, BBPICare A Lot, LLC. All rights reserved.

 

 

 

権力の乱用も隠蔽も許しちゃダメ!
『ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男』

たとえば、ある有名企業に勤めていたとして、偶然に会社が犯している大きな過ちを知ってしまったら、どうしますか? 見て見ぬふりをする、告発するなど立ち向かう─悩むと思います。

 

この『ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男』という映画は、化学工業界のために働いてきたひとりの企業弁護士が、立場を反転させて、環境汚染問題をめぐり、十数年にもわたって巨大企業との闘いを繰り広げてきた軌跡を描いています。分かりやすく言うとジュリア・ロバーツ主演の『エリン・ブロコビッチ』やジョニー・デップ主演の『MINAMATA─ミナマタ─』にも通じる、環境汚染、巨大企業との戦いを題材にした社会派の実録ドラマです。主演と制作を兼ねるのはマーク・ラファロ。『アベンジャーズ』のハルク役で広く知られていますが、社会派作品『スポットライト 世紀のスクープ』で魅せた彼の正義感がとても良くて。

 

今回の映画でマーク・ラファロの演じるロブ・ビロット役も期待を裏切りません。見知らぬ中年男から「デュポン社の工場からの廃棄物によって土地を汚され、190頭もの牛を病死させられた」という調査依頼を受けたことを機にビロットは、デュポン社が40年間も有害物質の危険性を隠蔽してきたことにたどり着くのです。調べるほど孤立していく、それでも諦めずに真実を追い求めるその姿から多くの気づきを受け取る。企業にしても政府にしても、権力の乱用も隠蔽もあってはならない、私たちは声をあげるべきだと気づかせてくれる映画です。

 

12月17日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほかロードショー
出演:マーク・ラファロ、アン・ハサウェイ、ティム・ロビンス、 ビル・キャンプ、ヴィクター・ガーバー、ビル・プルマン
配給:キノフィルムズ

© 2021 STORYTELLER DISTRIBUTION CO., LLC.

 

 

最新映画を映画館で楽しむ、そんな素敵な週末を。

 

◎文/新谷里映

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mina 2022年8月号

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杉咲 花

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