2022.11.09

週末は映画館で脳内トリップ『パラレル・マザーズ』

 

映画コラムニストの新谷里映さんが厳選した、mina女子におすすめの作品を紹介します。

 

葛藤の先にある優しい時間、やはりアルモドバルは凄かった!

ペドロ・アルモドバル監督とペネロペ・クルス、7度目のタッグです。『オール・アバウト・マイ・マザー』『ボルベール〈帰郷〉』『抱擁のかけら』など、このふたりのタッグ作をすでに観ている人にとっては、ふたたび傑作を見せてくれるのか! という期待しかないと思います。

 

しかも『パラレル・マザーズ』で描かれるのは、偶然にも同じ日に母となったふたりの女性の数奇な運命と不思議な絆。そう、アルモドバル監督のライフワーク”母の物語”でもあるのです。

 

 

ペネロペ・クルス演じるフォトグラファーのジャニスは未婚のシングルマザー。ひとりで娘を育てていくと決意した矢先、ある疑念が浮上します。それは、娘の父親である法人類学者のアルトゥロの「僕の子と思えない。DNA検査をしたい」という言葉がきっかけでした。

 

そして、遺伝子親子鑑定を受け、その結果にショックを受けるジャニスは、ある可能性を考えるのです。もしかしたら病院側が、出産日に同室だった17歳のアナの子供と取り間違えたのではないかと。

 

 

そこから、さらに衝撃の事実が明らかになりますが、もしも自分がジャニスの立場だったら……と考えるだけで、胸が苦しくなる。どんな選択をすればいいのか、苦しくなる。

 

そんな強烈な内なる葛藤と恐怖をペネロペ・クルスが素晴らしく演じています。母親としての決断がもたらすクライマックスに胸が震えるはずです。

 

ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamura ル・シネマ、新宿シネマカリテ 他公開中
出演:ペネロペ・クルス、ミレナ・スミット、イスラエル・エレハルデ、アイタナ・サンチェス=ギヨン、ロッシ・デ・パルマ、フリエタ・セラーノ
配給:キノフィルムズ
©︎Remotamente Films AIE & El Deseo DASLU

 

▶︎案内人は……
新谷里映さん

映画ライター・コラムニスト。音声プラットフォームVoicyにて『シネマのなかに見えるもの』配信中。
Twitter @rieshintani

 

記事に掲載されている店舗情報 (価格、営業時間、定休日など) は取材時のもので、記事をご覧になったタイミングでは変更となっている可能性があります。

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IN MY TOWN 古川琴音 私の街で、ニットと暮らす。

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