2022.04.01

いいものには歴史あり 名品セレクション

ロングセラーの理由を紐解く「名品セレクション」連載より、今月のいいものを紹介します。

 

 

セントジェームスのウェッソン

130年経っても変わらないアイコニックなボーダーシャツ

 ボーダーシャツの生みの親として知られるブランド、セントジェームスは、フランス北部のノルマンディー地方に位置する同名の市で1889年に創設されました。当時は、漁や貿易が盛んな土地柄、地元の漁師や船乗りのためのマリンセーターが主力商品。視界の悪い海上でも見分けがつきやすいトリコロールカラーやボーダー模様で作ったのが始まりでした。ウールからコットンへと素材を変えると、その頑丈さと吸湿性高さから、フランス海軍の制服に採用され、ワークウェアとしての信頼も獲得していきました。2 0世紀になると、かつて作業着でありミリタリーウェアだったボーダーシャツが、ファッションアイテムとして認知されるように。上質なデイリーウェアとして、今もなお世界中から支持され続けています。

 フランス北西部の波の荒い海域にある島々の名前に由来するウェッソン。丈夫でへたりにくい厚手のコットン生地、濡れても脱ぎやすいボートネックなど、当時の船乗りのために生まれたでデザインは、大きな改良を加える必要がないとの考えから創業以来ほとんど変えていないと言います。装いのアクセントになるボーダー模様に加え、ミニマル派には無地も根強い人気。着込んでいくうちに表れる表面の若干の毛羽立ちは、タフな生地の証しとして認知されています。着古してこそ、ますます愛着の湧くベーシックウェアです。

 

DETAIL CHECK

(左)首が綺麗に見えるボートネック

ウェッソンのボートネックは、着るとほぼ一直線に見える。鎖骨を露出させないユニセックスな雰囲気が特徴。

(右)ブランドの象徴をデザインしたタグ

発祥地を象徴するモン・サンミッシェルのマークにトリコロールやボーダー、創業年を組み合わせたブランドタグ。

(下)厳選された高級綿を使用した地厚な生地

洗濯で袖と丈がおおよそ2~3cm縮む。洗うことでさらに生地の目が詰まり、着古しても味わいとなるのが魅力。

 

洗うことで風合いが増す上質なデイリーウェア

豊富なカラバリも魅力。11,880円/セントジェームス(セントジェームス代官山店)

 

 

インディビジュアライズドシャツのボタンダウンシャツ

工場で一枚一枚縫い上げられた高品質なオックスフォードシャツ

 インディビジュアライズドシャツは、1961年にアメリカで誕生しました。ブランド名は“個人の好みに合わせたシャツ”という意味。オーダーメイドでシャツを仕立てる高級ドレスシャツファクトリーとして知られています。誕生から半世紀以上経った現在も、ニューヨークの高級百貨店や全米の高級紳士服専門店でカスタムオーダーシャツを手掛けており、その部門のトップシェアを誇っています。伝統的なアメリカンシャツとしての美しさと耐久性を追求し、一般的に大量生産のシャツには採用されないデザインを取り入れているのが特徴。背ヨークの縫い目が表に出ない縫製や脇の折り伏せ縫いなど、品質を第一に考えるブランドの姿勢も評価されています。そんな歴史と実績のあるブランドが日本に上陸したのは2000年。本国で採用しているディテールはそのまま、日本人向けの既製服として販売され、大量生産品とはひと味違う上質なシャツとして、着実にファンを増やしてきました。

 初めて同ブランドのシャツを購入する人におすすめなのが、オックスフォード地の中でも厚手のレガッタオックスフォード地を使用したこのシャツ。アメリカでボートレースを観戦する人々が着ていたとされるシャツから着想を得た、ブランドの代表的な一枚です。中厚の生地に漂うラフな雰囲気によって、上品なのにかっちりしすぎず、スタイリングにこなれ感が叶います。

 

DETAIL CHECK

(左)立体感が美しいボタンダウンの襟元

サイズやボタンの位置、襟腰の高さまで、絶妙なバランスで作られた襟。ファンに最も絶賛されているパーツだそう。

(右)バックスタイルにも耐久性を高める工夫

ヨークのステッチが表に出ないのは高い縫製技術を必要とする工程。これによって耐久性も上がるのだとか。

(下)重ね着もさまになる 適度な長さの袖丈

生地にハリがあって、 長すぎず短すぎない袖丈は、スウェットなどの下からちら見せして着ても好バランス。

 

エイジングしがいのある 中厚でコシのある生地

6サイズ展開。洗濯すると袖と丈が約1cm縮むので、少し大きめを選ぼう。26,400円/メイデン・カンパニー

 

 

SHOP LIST

セント ジェームス代官山店 ☎03-3464-7123
メイデン・カンパニー ☎03-5410-9777

 

◎撮影/志田裕也 ◎取材&文/名和里穂 ◎デザイン/橋場友美

 

2022年mina5月号より

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mina 2022年11月号

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