
すっかり涼しくなってきて、秋めいてきたこの頃。読書の秋を楽しみたい! という⽅へ、編集部員おすすめのマンガと⼼に残ったフレーズをお届けします。この週末は、マンガを読んで過ごしてみては?
<⼩森のおすすめ>
⾳楽を通して成⻑する中学⽣たちの⻘春ストーリー
『四⽉は君の嘘』新川直司

「四⽉は君の嘘」©新川直司/講談社
幼少期から天才ピアニストとして注⽬されていた主⼈公・有⾺公⽣が、⾃由奔放なヴァイオリニスト・宮園かをりと出会い、⾳楽と恋、そして⼈⽣に向き合っていく⻘春ストーリー。
「演奏シーンが多く描かれていて、本当に⾳が聞こえてくるような臨場感のある作品です。ハマったのは、中学3年⽣の受験期で、ちょうど主⼈公たちと同世代だったこともあり、どんどん物語に引き込まれました。アニメきっかけでハマり、どうしても最終回を待てず、マンガを借りて⼀気読みしちゃいました」(⼩森)
<⼼に残ったフレーズ>
3巻では、⾳楽の世界から離れていた公⽣が、かをりとの出会いを機に⾳楽コンクールに出場することを決意するのですが、譜⾯に忠実に弾くことに縛られて、⾃分らしく演奏できず⋯⋯。そんなときに、かをりが公⽣にかけたひと⾔。
“私たちは、バッハやショパンじゃないもん。君の⼈⽣でありったけの君で真摯に弾けばいいんだよ”
「当時、進路に悩んでいた時期でしたが、このセリフを読んで『⾃分の信じる⽅向に進んでいいんだ!』と背中を押された気がしました。今でも、仕事で⾏き詰まったときはこの⾔葉を思い出して、勇気をもらっています」(⼩森)
<⿅島のおすすめ>
⾼校⽣の恋と友情を描いた学園物語
『天使なんかじゃない』⽮沢あい

「天使なんかじゃない」©⽮沢あい/集英社
新設⾼校に⼊学し、⽣徒会の副会⻑となった主⼈公・冴島 翠が、仲間に出会い、恋愛や友情、ときにはすれ違いを経験しながら成⻑していく物語。
「ドンピシャな世代ではないのですが、『NANA』をきっかけに⽮沢あい作品にのめり込みました。共感できる部分も多く、⼤⼈になって忘れていた、何ごとにもまっすぐに向き合う気持ちを思い出させてくれました」(⿅島)
<⼼に残ったフレーズ>
翠と友⼈のマミリンが将来について語り合う完全版2巻で、将来について問われたマミリンが答えたセリフ。
“私は、冴島 翠みたいになりたい”
“うれしいときはちゃんと喜んで、悲しいときはちゃんと泣けるような、そんな当たり前のことがみんな意外とできなかったりするのよ”
「⼈前では感情を抑えがちなマミリンが、素直な翠と出会い、少しずつ⾃分の気持ちに正直に⾏動できるようになっていきます。その成⻑がとても眩しく、この⾔葉はそれを象徴するセリフとして強く⼼に残っています。私にとって、その成⻑過程こそが作品のメインテーマだと思うくらい、感情移⼊し、応援せずにはいられませんでした!」(⿅島)
<松本のおすすめ>
⾼校野球が題材の⻘春ラブコメディ
『タッチ』あだち充

「タッチ」©あだち充/⼩学館
⾼校野球を舞台にふたごの上杉達也と和也、その幼馴染みの浅倉 南が甲⼦園を⽬指す物語。
「ずっと気になってはいたもののなかなか読むタイミングがなく、⾼校3年⽣の夏休みに読み始めたらハマりました。素朴でどこか懐かしい、昭和レトロな世界観に強く惹かれました」(松本)
<⼼に残ったフレーズ>
24巻で、たつやが甲子園の予選決勝に進み、重要な局面で放ったセリフ。
“なくしたものをとりもどすことはできないけど、忘れていたものなら思いだせますよね”
「達也は2年前、弟の和也を交通事故で亡くしてしまうのですが、このセリフには、弟の甲⼦園出場の夢を引き継ぎ、⾃分がその思いを叶えるという決意が込められているように感じます。甲⼦園を⽬前に和也との思い出が蘇り、もう会えないけれど、⼀緒に過ごした時間や練習の⽇々を⼤切に思う達也の姿に胸が熱くなりました。また、これまで考えの違いからぶつかることも多かった監督とも、このシーンをきっかけにチームとしてひとつになっていくのも印象的でした。過去の悲しみを抱えながらも前を向こうとするその強い意志に⼼を動かされ、私⾃⾝も、⾒失っていた⾃分の好きなことや本当にやりたいことに⽬を向けられるようになりました」(松本)
時間を忘れて夢中になれるマンガの世界。気になった作品があればぜひ読んでみてください。
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