2022.10.07

舞台『A・NUMBER』出演・戸次重幸さんインタビュー

 

TEAM NACSの戸次重幸さんがキャリル・チャーチル作の『A・NUMBER』に出演する。人間のクローンを作ることが可能になった近未来を舞台に、自分がクローンだったと知った息子とその父との濃密な会話劇だ。

 

――まず、台本を読んでの印象はいかがでしたか?

 

「膨大なセリフ量だなと。ただ、6〜7月にやらせていただいた舞台『奇人たちの晩餐会』でも、今までの役者人生で一番というくらい、とてつもないセリフ量だったのを演じきれたのが自信になっているので、絶対大丈夫だとは思っています。しかも、歳を取るにつれてセリフ覚えが早くなってきているんです。役者としては最高ですよね。人の名前はなかなか憶えられないのに(笑)」

 

 

――ふたり芝居の相手役である父親を演じるのは、戸次さんが敬愛してやまない大先輩の益岡 徹さん。今回が本格的な初共演だそうですね。

 

「舞台『巌流島』(1996年)で佐々木小次郎を演じていた益岡さんがとにかく素晴らしくて、今の若い人たちの言葉で言うと“神演技”で圧倒されたんです。ただ、ファンですというスタンスで来られると益岡さんも迷惑でしょうから、稽古中は、あまり言わないようにしようと思っています。

 

とは言え、自分が多感な頃に刺激を受けた方とご一緒できること、濃密な芝居のやりとりができることが至上の喜びです。ちょっと誤解を生む表現かもしれないですけど、僕が一番近い席で憧れの益岡さんの芝居を見られる客だと思っています(笑)」

 

 

 

――戸次さんはもともとSF好きで、本作のテーマにもなっているクローン人間についても興味があるのだとか。

 

「最近老化がすごいんです。脳は若い時のことを覚えているけど、眼も悪くなってきたし、この前は肉離れしたし。48年間使っていると考えると疲弊してきているのも納得なので、自分のクローンが欲しいです(笑)。10代後半くらいの何も問題もなかった時の身体と入れ替えたいですね」

 

 

――いつも若々しい戸次さんの思わぬ肉体的老化についての話題には驚きですが、では精神的には?

 

「結婚して子どもが生まれたのは人生の大事件でした。子どもが生まれる前は自分のことだけ考えて生きていたんですが、今は自分のための物欲も全くなくなって。誰にもあげたくないくらい桃が大好きなのですが、息子たちは桃をあげたい存在。これはやっぱり、肉体は老化していても、精神的には成長しているということなのかなと思います」

 

 

PROFILE
とつぎ・しげゆき●1973年11月7日生まれ。北海道出身。TEAM NACSのメンバー。出演作は『監察医 朝顔』『ファイトソング』『仮面ライダーリバイス』など多数。現在、NHK『SONGS』に(ナレーション)レギュラー出演中。

 

 

INFORMATION

舞台『A・NUMBER』

 

クローン技術が進んだ近未来。法的には人間のクローンを作ることはグレーの世の中。ソルターは亡くなった息子を取り戻すべく、医療機関でクローンを作るよう依頼する。しかし実は息子のクローンは他にも複数作られていて……。

東京公演:10月7日(金)〜16日(日)紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA
名古屋公演:10月21日(金)青少年文化センター(アートピア)
仙台公演:10月23日(日)電力ホール
札幌公演:10月26日(水)共済ホール
兵庫公演:10月29日(土)兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール
作:キャリル・チャーチル
翻訳:浦辺千鶴
演出:上村聡史
出演:戸次重幸、益岡 徹


 

▶︎作品公式サイト

 

ジャケット 24,200円、パンツ 46,200円/ともにFACTOTUM(Sian PR) その他/スタイリスト私物

 

◎撮影/西谷玖美 ◎スタイリング/小林洋治郎(Yolken) ◎ヘア&メイク/横山雷志郎(Yolken) ◎取材&文/熊谷真由子

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あの街、冬さんぽ。/
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