2022.07.02

【にっぽんのてのりみんげい】手作りならではの温もりが宿る「江戸硝子」

全国各地から、可愛さのあまり自分の家に連れて帰った「民芸品」を、旅好きさんが紹介してくれます。

 

 

名作「うすはり」をアレンジした日常の道具として使えるグラス

350mLとしっかり容量があり、1.5mmと「うすはり」よりもやや厚みがあるため、使いやすさ抜群。〈上〉縞紋、〈左から〉千本、格子 各2,420円/AKOMEYA TOKYO

 

「江戸硝子」と呼ばれ、古くから料理店などで広く愛用されたグラスは、現在は東京の荒川区南千住を拠点として製造が行われています。大正11年に電球を作る生産工場として誕生した『松徳硝子』は、電球用ガラスを作るノウハウを元に、薄く、均一にガラスを吹くという独自の製法によりグラスを生み出しました。職人による手仕事にこだわった、手吹きガラスならではの温かみのある表情が魅力で、中でも名作「うすはり」は『松徳硝子』の代名詞として人気を博しています。私は「うすはり」を初めて見たとき、その繊細さと無駄のないフォルムの魅力に引き込まれたのを覚えています。

 

この『AKOMEYA TOKYO』で別注したグラスは、毎日使いたくなるマルチなものを目指したので「うすはり」よりも少しだけ厚みを持たせ、より丈夫にしました。伝統技法のモールという成型円と模様円2種の金型を使って表面に模様をつけることで、飲み物を注いで光を通すと美しい影を作り出し、『松徳硝子』の繊細な表情を生き生きと再現しました。

 

また、コーヒーでもビールでも多用途に使って欲しいので、多すぎず少なすぎずの容量にこだわったのもポイントです。 一見、寸胴のストレートなフォルムに見えますが、実はわずかに底面の直径のほうが小さく設計されており、どの角度から見てもバンスよく見えるように作られています。口が広いのでお手入れもしやすく、飲み物だけではなくパフェグラスのように使うのもおすすめ。ぜひ日常の道具としてガンガン使ってほしいアイテムです。

 

今では少なくなった手吹きの硝子工場ですが、実は東京にあります。手仕事でものづくりをしているエリアが東京にも多く残っていて、知られていない工芸品がたくさんあると思います。それらを広めていくお手伝いがもっともっとできるといいなと思っています。

 

 

 

案内人は…

AKOMEYA TOKYO 雑貨バイヤー
山崎伸一郎さん
生活雑貨の企画開発、バイイングを担当。『AKOMEYA TOKYO』の食品をより美味しく味わってもらうための器や道具を全国各地から集めている。

 

 

◎撮影/志田裕也

2022年mina8月号より

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mina 2022年9月号

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みんなのはしご酒。/
百田夏菜子(ももいろクローバーZ)

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