2022.02.12

映画コラムニスト・新谷里映の週末、おうち映画で。【チョコレートな映画】

土曜日の深夜に。日曜日の昼間に。映画にどっぷり浸りたい。そんなあなたを、映画コラムニストの新谷さんが、素敵な映画へナビゲート。今回のテーマはチョコレートです。「バレンタインデーの季節になると、専門店や洋菓子店だけでなく、デパ地下も、スーパーも、コンビニもチョコレートに染まるので、ついつい自分へのご褒美も買いたくなります。今回は、“人を幸せにするチョコレート”が登場する映画を3本ピックアップしました」(新谷さん)

 

 

じんわり心に広がる温かさを感じて
『フォレスト・ガンプ/一期一会』

「人生はチョコレートの箱みたい」「食べるまで中身は分からない」──これは、映画が始まってすぐに出てくる、主人公フォレスト・ガンプ(トム・ハンクス)のセリフです。ベンチでバスを待ちながら、隣で本を読んでいる女性にチョコレートの箱を差し出す、とても有名なシーンなので、この映画の象徴的なシーンとして覚えている人も多いと思います。

 

そもそもこの映画は、アカデミー賞で作品賞ほか6部門を受賞している名作。27年前の映画です。最初にこの映画を観たときは、フォレスト・ガンプの数奇な人生を、誰もが知っているアメリカ現代史に重ねて描く、とてもユニークなヒューマンドラマだと思っていました。けれど、年月を経て改めて観てみると、ヒューマンドラマのなかに描かれている、フォレスト・ガンプのジェニーへ(ロビン・ライト)の真っ直ぐな愛、変わらない愛に感動。

 

こんなにもラブストーリー強めの映画だったなんて!と、発見がありました。トム・ハンクスがやたらと走っている映画でしょ?という断片的な記憶になりがちですが、学生よりも社会人、社会人を経て大人になった人にこそ、じんわり響く“愛”が詰まっています。

 

▶︎〈TSUTAYA〉で『フォレスト・ガンプ/一期一会』を視聴

 

 

受け入れることの大切さを教えてくれる
『ショコラ』

ひと昔前は、チョコレートは甘い、甘いから太るというイメージが強くありましたが、カカオポリフェノールの効能が注目されてからは、美味しいだけでなく健康的な食べ物になりましたよね(とは言っても食べ過ぎは注意ですが……)。

 

ジュリエット・ビノシュとジョニー・デップが共演の映画『ショコラ』は、タイトル通りチョコレートが主役と言ってもいいほど、ホットチョコレートにトリュフ……さまざまな魅力的なチョコレートが登場します。伝統を重んじる村に北風とともにやって来た母ヴィアンヌと娘のアヌーク。彼女たちは、その村でチョコレート店を開きますが、単にチョコレートを売るのではなく、チョコレートを通じて、村の人々が抱える問題を解決していきます。2大スターの共演ということもありロマンス映画に分類される作品ですが、しっかりロマンスを描きつつもそれだけじゃない──。

 

実はもっと奥が深くて、その村の人たちが旅人をどう迎えるか、交流するか、“受け入れる”ことの大切さを伝えている。人間の本質に迫った気づきの映画でもある。観た後は、もちろんチョコレートを食べたくなります(笑)。

 

▶︎〈TSUTAYA〉で『ショコラ』を視聴

 

 

目と心を癒してくれる
『ノッティングヒルの洋菓子店』

洋菓子店のドアをくぐって目の前にカラフルなお菓子が現れると、気分は上がり、幸せな空気に包まれる、一瞬にして人を笑顔にする力が洋菓子店にはあると思うんですよね。

 

この映画の舞台となる、ロンドンのノッティングヒルにある「LOVE SARAH」という名のお店もそのひとつですが、このお店のオープンには悲しい出来事がありました。パティシエのサラと親友のイザベラの夢は自分たちの店を持つこと。しかし、開店直前にサラが突然旅立ってしまうのです。それでもサラとの夢を叶えたい──イザベラは、サラの娘、サラと絶縁していた母親、そしてサラにある償いをしたいというスターシェフと共に何とか開店にたどり着きますが、何故かお店にお客が来ない!さあ、どうする!?という奮闘が描かれます。

 

大切な人との思い出を胸に、4人それぞれがサラと自分の夢とどう向き合いどう歩んでいくのか。そんな共感の物語を軸に、チョコレートケーキをはじめカラフルな洋菓子、さらに私たちに馴染みのある食材を使ったお菓子、初めて知る世界のお菓子が次から次へと登場します。目と心を癒してくれる1本です。

 

▶︎〈TSUTAYA〉で『ノッティングヒルの洋菓子店』を視聴

 

 

心を溶かすチョコレートのような映画を。

次の週末はチョコレートのような映画を観ませんか? 甘くて心がじんわり温まる作品から、ちょっと大人でビターな気持ちになるものまで、あなたの気分に合わせてぜひ選んでみてください。

 

 

◎文/新谷里映 ◎イラスト/moeko ◎撮影/三宮幹史さん(TRIVAL) ◎スタイリング/渡邉恵子(KIND) ◎ヘア&メイク/山田大輔さん(Cake.) ◎モデル/松木育未、斉藤雄哉(yonawo)

 

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