2022.01.29

週末は映画館で脳内トリップ〈わざわざ映画〉

映画コラムニストの新谷里映さんが厳選した、mina女子におすすめの作品を紹介します。今度の週末は、映画館で過ごしませんか?

 

 

人生に迷った時、自分にとって正しいほうへ導いてくれる
『コーダ あいのうた』

何かに縛られることなく自分の思う通りに生きたい──と思うのは、きっと世界共通ですよね。けれど現実は、いろいろな柵(しがらみ)にとらわれて、自由にならないことのほうが多いのかもしれません。でも、自分を取り囲むその柵をどう捉えるかで、人生は豊かになる、そう気づかせてくれるのが、この映画『コーダ あいのうた』です。

 

主人公は高校生のルビー。彼女は健聴者ですが、彼女の家族は、両親も兄も耳が聞こえない。だから早朝から家族が営む漁業を手伝ったり、家族と外の世界を繋ぐ”通訳”係として生きています。彼女にとってそれは当たり前のこと。聞こえる聞こえないという違いはあっても、互いを思いやるとっても素敵な家族なんです。けれど、ある出来事をきっかけにルビーは、自分の夢か家族か、選択を迫られることに。

 

それは、秘かに想いを寄せているマイルズに少しでも近づきたくて、彼と同じ合唱クラブに入ったことがきっかけでした。もともと歌うことが好きだったルビーは、クラブ顧問のV先生に歌の才能を見抜かれ、マイルズとデュエット曲を歌うことに! さらに音楽大学に進学することを勧められます。家族のことは愛しているけれど自分の人生も大切にしたい……。夢と現実、そして恋、ルビーがどんな選択をするのか、そこには生きていくうえでの大切な気づきが、ぎゅっと詰まっています。

 

TOHOシネマズ 日比谷ほかにて全国公開中
出演:エミリア・ジョーンズ、フェルディア・ウォルシュ=ピーロ、 マーリー・マトリン
配給:ギャガ
©2020 VENDOME PICTURES LLC, PATHE FILMS

 

 

すごい時代が来たんだなぁという驚きに満ちたラブロマンス
『アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド』

こんな人と出会って恋したいな……。誰にだって、映画やドラマ、漫画やアニメの登場人物に恋をして、自分の理想の恋の相手として想像を膨らませたこと、あるのではないでしょうか。

 

ドイツ映画『アイム・ユア・マン 恋人はアンドロイド』は、タイトルにもある通り、理想の恋人がアンドロイドだったら……という設定で繰り広げられるラブロマンスです。昔からアンドロイドを題材にした映画は作られてきました。たとえば、『ブレードランナー』『A.I.』『her/世界でひとつの彼女』『エクス・マキナ』など。 本作もそれらに通じる映画ではありますが、ファンタジーとリアルの境界を超えてくるような、近い将来、本当にこういう恋愛もあり得るのかもしれない、と思っちゃう物語です。

 

主人公のアルマは楔形文字の研究に没頭している学者ですが、研究資金のために特別な実験に参加することに。それは”理想の伴侶”実証実験。アルマは、全ドイツ人女性1,700万人とアルマの好みがインプットされた高性能AIアンドロイドのトムとお見合いをすることになるのです。面白いのは、最初はトムの行動に興ざめだったアルマが、一緒に過ごすことで、少しずつトムへの印象が変わっていくこと。もちろんそれはAIの学習能力が優れているからではあるのですが、ありかもしれない……と思ってしまう。恋の心理がよく表現された映画でもあるんです。

 

新宿ピカデリー、Bunkamuraル・シネマほか全国公開中
出演:ダン・スティーヴンス、マレン・エッゲルト、ザンドラ・ヒュラー

配給:アルバトロス・フィルム
© 2021, LETTERBOX FILMPRODUKTION, SÜDWESTRUNDFUNK

 

 

最新映画を映画館で楽しむ、そんな素敵な週末を。

 

◎文/新谷里映

 

2022年mina2月号より

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