東京・成田空港から直行便で約12〜14時間でたどり着くアメリカの東海岸、マサチューセッツ州の州都ボストン。ニューヨークから北東に約350kmの位置にあり、5月〜10月は暖かいものの湿気が少なく過ごしやすい気候で、いまから観光のベストシーズンを迎えます。アメリカ建国ゆかりの地であり、美しい赤レンガの街並みが広がるボストンの魅力、そして100年以上の歴史を誇る春の風物詩・ボストンマラソンについてご紹介します。
アメリカ建国の息吹を感じる、歴史と文化、自然あふれるボストン
ボストンはマサチューセッツ州東部、ボストン湾に面した港湾都市であり、アメリカ最古の都市のひとつです。ボストン入植の歴史は1620年代にまでさかのぼり、イングランドのピューリタン(清教徒)グループが最初のヨーロッパ人入植者でした。
ボストンでは、これらの入植者によって建てられた赤レンガを使った美しい建築物を、いまでも数多く見ることができます。特に歴史地区であるビーコンヒルには、18世紀から19世紀にかけて建てられたレンガ造りの住宅街が残っており、美しい景観が広がっています。
そしてボストンは、1775年から1783年まで行われたアメリカ独立戦争で、反乱軍の拠点として重要な役割を果たした場所です。1773年、イギリスの茶税に抗議するため、ボストン市民が船から紅茶を降ろし、ボストン湾に投棄する「ボストン茶会事件」が起きた場所は、いまでは「ボストン茶会博物館」として観光名所にもなっています。この「ボストン茶会事件」はアメリカ独立戦争の引き金となりました。
また、ボストンはハーバード大学やマサチューセッツ工科大学(MIT)など、世界的に有名な大学が集う学園都市の顔も持ちます。
街としてはダウンタウンを中心に発展しており、高層ビルもありますが、一方で歴史的な街並みを残す地域もあります。街の中心部をチャールズ川が流れ、緑豊かな公園や庭園もあり、リスや鳥も多く生息するなど自然が豊かなのもこの街の魅力です。
空の玄関口であるボストン・ローガン国際空港は、市内中心部から車で約15分とアクセスがよく、地下鉄や路線バス、トロリーバスなどの公共交通機関も充実しているため、移動には困りません。多彩な見どころが比較的コンパクトにまとまっており、観光がしやすいのもボストンが多くの観光客を惹きつける所以でしょう。
全長4kmのフリーダムトレイルで、アメリカ独立の歴史をたどる
ボストンの歴史や魅力を体感するなら、アメリカ独立戦争時代の歴史的な場所や建物、記念碑などを訪れる「フリーダムトレイル」を歩くのがおすすめ。ボストン市内にある16の観光スポットを巡る約4キロメートルの散策ルートになります。
スタート地点は、アメリカ最古の公園であり、ダウンタウンの中心部に位置する「ボストン・コモン」です。「マサチューセッツ州議事堂」や、アメリカ合衆国の独立宣言が発表された「オールド・ステート・ハウス」、アメリカ独立戦争の英雄である「ポール・リビアの家」などの名所を巡っていき「バンカーヒル記念塔」がゴール地点となります。
ボストン名物・ロブスターロールとクラムチャウダーをトレンドのフードホールで堪能
海に面しているボストンはシーフードが有名です。特にロブスターを丸ごと茹でた「ロブスター・ボイル」や、ロブスターの身をサンドした「ロブスター・ロール」は人気です。また、ニューイングランド地方の代表的なスープ・クラムチャウダーも名物のひとつ。牛乳やクリームを使った濃厚なスープに、貝類や野菜などがたっぷり入っているのが特徴です。
フードホールというと「クインシー・マーケット」が有名ですが、ボストン名物グルメと最新トレンドを体感するなら「ハイ・ストリート・プレイス・フードホール」へ。ボストンとニューオリンズの伝統を融合させたユニークなシーフードが味わえる「ダイブ・バー」やボストンをはじめとしたアメリカのクラフトビールが味わえる「エールワイブス・タップルーム」、ボストン市民に愛されているスペシャリティコーヒーショップの支店「グレースノート・コーヒー」など19の飲食店が軒を連ねます。かつて道路だった場所に造られたフードホールなので、街灯など往時のオマージュ的なデザインも見どころです。
「ハイ・ストリート・プレイス・フードホール」
住所:100 HIGH STREET BOSTON, MA 02110
HP:High Street Place | Food Hall
レッドソックスの本拠地「フェンウェイ・パーク」でメジャーリーグ野球を体感
ボストン名所として外せないのが、1912年に開場した野球界で最も古い球場のひとつに数えられている「フェンウェイ・パーク」です。現在、日本人の吉田正尚選手も所属しているメジャーチーム「ボストン・レッドソックス」の本拠地としても知られています。
「フェンウェイ・パーク」は、独特の形状を持っており、左翼フェンスの高さが少し低く、右翼フェンスが高くなっています。この形状は、球場の外形が当時の市街地の形に合わせて作られたためです。また、グリーン・モンスターと呼ばれる左翼フェンスの緑色の壁も、球場のアイコンになっています。
私が訪れた際には、あの大谷翔平選手が所属する「ロサンゼルス・エンジェルス」と「ボストン・レッドソックス」が対戦。試合8回裏では観客総立ちで「スイート・キャロライン」を歌ったり、ウェーブで盛り上がったり、名物のホットドッグやビールを味わったり、アメリカンな野球観戦を体感できました。人気の試合は当日満席で見れないこともあるので、インターネットから事前の予約をしておくのがベターです。また、観戦以外にも球場見学ツアーも有料で開催されているようなので、気になる方はそちらもチェックを。
「フェンウェイ・パーク」
住所:4 Jersey St, Boston, MA 02215
歴史は100年以上! 春の風物詩・ボストンマラソン
ボストンといえば、1897年にスタートした世界で最も歴史のあるマラソンのひとつとされるボストンマラソンも見逃せません。ボストンマラソンは、ロンドンマラソン、ベルリンマラソン、シカゴマラソン、ニューヨークマラソン、東京マラソンと合わせ、アボット・ワールドマラソンメジャーズのひとつです。4月の祝日「愛国者の日」に毎年開催されており、今年で127回目を迎え、100か国以上から30,000人以上のランナーが参加しました。
実は今回、このボストンマラソンに私も出場。途中雨に降られるなど絶好のコンディションとはいきませんでしたが、沿道の熱狂的な応援に助けられ、なんとか完走することができました。
もうひとつ、フルマラソン未経験だった私を支えてくれたのがマリオット・インターナショナルが展開する「ウェスティンホテル&リゾート」でスタートした6大大会に参加するランナーをサポートするステイプログラムです。
レースが開催される週末になると「ウェスティンホテル&リゾート」の一部のホテルに「ウェスティン・マラソン・ゾーン」が登場し、無料のウェルネス体験が提供されます。ここでは、レース前のウォーミングアップやレース後の回復をサポートするため、インストラクターによる専用トレーニングやリカバリーレッスンが1日にそれぞれ5回、各20分実施されました。
さらにミネラルウォーターやコーヒーなどのドリンク、プロテインバーや果物などの軽食が無償提供。マラソン当日もランナー向けに携帯用の軽食が用意されたり、レース終了後にはセレブレーションシャンパンが振る舞われたり、ランナーに嬉しいサポートが多数ありました。
提供:マリオット・インターナショナル
また、ゲストはシューズやウェアに加え、「Hyperice」のハイテクリカバリー器具や「Bala」の全身筋力トレーニング用品を一泊一セット5ドルでレンタルできる「WestinWORKOUT(R)ギアレンディングプログラム」を利用することができました。このリカバリーキットで脚をほぐすことができたおかげで、レース後の回復もかなり早かったように思います。
これら「ウェスティンホテル&リゾート」の取り組みは、アボット・ワールドマラソンメジャーズの6大大会が行われる週末に、各都市の一部「ウェスティンホテル&リゾート」で今後も実施されます。もちろん、来年の東京マラソン開催時にも行われますよ。
提供:マリオット・インターナショナル
今回私が宿泊した「ウェスティン・コプリープレイス,ボストン」は、ボストンマラソンのゴール地点から歩いてすぐの場所と立地も抜群。ボストンのダウンタウン、バックベイ地区にあり、長距離列車の拠点となるバック・ベイ駅や、地下鉄コプリー駅も徒歩でアクセスでき、観光にも便利なロケーションでした。
「ウェスティン・コプリープレイス,ボストン」
住所:10 Huntington Ave, Boston, MA 02116
HP:https://www.marriott.com/en-us/hotels/boswi-the-westin-copley-place-boston/overview/
海外旅行のハードルが下がってきたいま。夏休みや次の長期休暇は、古き良きアメリカの歴史が感じられ、観光スポットも充実した、風光明媚なボストンでのんびり過ごすのも良さそうです。
◎取材&撮影&文/中森りほ
価格は税込です。店舗情報、商品情報は取材時のもので、記事をご覧になったタイミングで変更となっている可能性があります。
記事は取材時(2023年4月18日)時点の情報のため、最新の入国規制などについては各国政府発表の公式情報をご覧ください。