2024.05.10

1泊4日でも行けちゃう!? ドバイで中東文化を体験する旅へ【週末“非日常”TRIP】

日本とはまるで違う文化を持つ中東の国々。中東というと危険なイメージを持つ人もいるかもしれませんが、誰でも安心して中東の文化を満喫できるのがアラブ首長国連邦(UAE)の「ドバイ」です。ドバイ経済観光庁主催のプレスツアーに参加し、中東文化を体験する1泊4日ドバイ旅に行ってきたので詳しくご紹介します。

歴史地区で中東料理を味わう

2022年のInsureMyTrip社の調査で、「女性のひとり旅が安全にできる都市ランキング」で 3位にランクインしているドバイ。日本からのアクセスも直行便があるため便利で、乗り継ぎなしで訪れることができます。飛行時間は往路が約12時間、復路が約9時間。羽田・成田・大阪からエミレーツ航空の夜便が毎日運航していて、例えば金曜日の夜に出発して土曜日に1泊し、月曜日には戻ってくるというスケジュールも可能!

 

〈スケジュール例〉

1日目 会社終わりに夜便でドバイへ

2日目 早朝、ドバイ到着、観光

3日目 観光、深夜便で日本へ

4日目 夕方、日本に帰国

 

ドバイに到着した日におすすめの中東文化を体験できる観光スポットが「アルファヒディ歴史地区」。18世紀のドバイの街並みを再現しており、まだ真珠産業を主としていた時代の趣を感じられます。ちなみにアラブ首長国連邦が建国されたのは1971年。建国されてからまだ50年ほどしか経っておらず、ドバイは驚くほどのスピードで発展しています。

歴史地区内には珊瑚石や貝殻など、伝統的な材料を用いた建物がずらり。ショップ、カフェ、博物館、ホテルなどが点在し、アラビア語のアートや地元アーティストによる壁画作品なども見ることができます。「Architectural Heritage Society」の標識が書かれた家は、中庭に無料で入れる施設。天井がとても高く、木々と太陽の光に心が癒やされました。

まるで迷路のような歴史地区を歩いていると、可愛い雑貨屋さんを発見。柄が左右対称のイスラム文化らしい模様のファブリックを使ったバッグやポーチを販売していました。

中東やドバイに住む現地の人々「エミラティ」の食文化を朝食で味わうのも良い過ごし方。「AL KHAYMA Heritage Restaurant」はアラビア料理とエミラティ料理を味わえるレストランです。

朝食は2〜3人で分けてちょうどよい「Arabian Breakfast Tray(AED 93.45)」と「Emirati Breakfast Tray(AED 93.45)」が看板メニュー。Arabian Breakfast Trayはフムス 、ファラフェル、シャクシューカなどのセットです。中東料理は辛くないスパイスをふんだんに使うのが特徴で、例えばエミラティの伝統的なパンケーキ「チェバブ」はカルダモンやシナモン入り。ふわっと独特のスパイスが香るパンケーキはデーツシロップやハチミツをかけて味の変化をつけながら楽しむことができました。日本では滅多に食べられないような、新鮮な味にテンションも高まります!

 

・AL KHAYMA Heritage Restaurant(アルハイマヘリテイジ・ レストラン)

住所:Al Fahidi Historical Neighbourhood – 79 Al Mussallah Rd, Al Fahidi, Dubai

HP:https://alkhayma.com/restaurant/al-khayma-heritage-restaurant-and-cafe-abu-dhabi

 

歴史地区を堪能した後は、クリーク(運河)を行き交う「アブラ」に乗って、対岸にあるスーク(市場)へ。アブラは地元の人も使う渡し船で、乗船料はたったのAED 1(約41円)。ドバイは物価が高いイメージをもたれがちですが、人口のほとんどがインドなど海外から来た労働者です。そのため電車もAED 3〜乗ることができたり、500mLペットボトルのお水がAED 2だったり、生活に必要なものの物価は高くはありません。観光客もスーパーではお手頃価格でお買い物を楽しめますよ。

スークはスパイス、お茶、雑貨などが買えるお店が集まる市場です。アラビアンな商品を眺めているだけでも楽しく、日本では高級品の「サフラン」などもお得に手に入れることが可能です。ただし、スークは値下げ交渉が基本。観光客には適正価格の10倍ほどを言われることもあり、スーパーで値段の感覚をつかんでから行くのもひとつです。スパイスも数が多すぎてどれを買うか迷いますが、現地の人に勧めてもらったスパイスが「ザッター(ザタール)」。タイム、スマック、ゴマなどが合わさったミックススパイスで、サラダやお肉にかけるだけで美味しかったです!

物語の主人公気分。砂漠でラクダに乗って歩く

1泊4日のドバイ旅行で、3日目の観光におすすめなのが「デザートサファリ」。ドバイ中心部から約1時間車を走らせた場所にある砂漠で、ドバイの砂漠を旅していた半遊牧⺠「ベドウィン」の文化を体験することができるツアーです。さまざまなツアーの中でも、Platinum Heritageの「Bedouin tour(ベドウィンツアー AED 595、ホテル送迎料別、英語)」は日の出とともにスタートし、時間を有効活用できるもの。ただ行くだけではなく、知識が豊富なガイドから自然保護区である砂漠の環境や文化についてしっかりと教えてもらえるのが特徴です。

砂漠の入り口に到着し、ベースキャンプまでは「ラクダ」に乗って向かいます! ラクダといえば、砂漠の民の重要な交通手段。馬よりも背の高いラクダの背中に乗り、朝日を浴びながら砂漠を歩くと、自分がドラマや映画の物語の主人公になったかのよう……。Platinum Heritageのラクダは必要な予防接種を行い、毎月医師の検査を受け健康状態を確認。そして毎日医療用シャンプーでケアされているため、安心して乗ることができます。

ベースキャンプでは中東の食文化を体験。エントランスでローズウォーターをかけて手を洗うという風習を体験した後、白い伝統的な民族衣装「カンドゥーラ」を着た男性が「アラビックコーヒー」と「デーツ」で出迎えてくれました。アラビックコーヒーは日本人が普段飲むコーヒーとはまったく違う味で、カルダモンなどスパイス入り。デーツと一緒に食べるとほどよい甘さが加わり、クセになる美味しさです。

黒い伝統的な民族衣装「アバヤ」を着ていた女性が揚げていたのは、「ルゲイマート」というデーツシロップをかけて食べるドーナツ。ちなみに夏は暑さがかなり厳しく、ルゲイマートの原料となる「小麦」を育てるのは難しい砂漠。どのようにしてベドウィンの人が小麦粉を手に入れていたかというと、「交易」です。砂漠を渡りたい人にラクダや案内人を貸すのと交換に、小麦粉やスパイスなどを手に入れていたそうです!

食料の確保が重要な砂漠での生活で、ベドウィンの良き相棒が「ファルコン」です。ファルコンはアラブ首長国連邦の国鳥になっているほど大切な存在で、ファルコンをトレーニングして狩りを行っていた歴史があります。デモンストレーションではベドウィンを祖先に持つ男性から、実際にどのように狩りをするのか学べますよ。

朝食のメインは豆をベースにさまざまな具材やスパイスを自分で入れて仕上げる「バジェーラ」。細かくカットしたパセリ、タマネギ、フェタチーズ、ドライミント、塩、クミン、ペッパー、オリーブオイル、タヒーニ(ゴマのペースト)などを混ぜて食べると、複雑に味が絡み合い絶品の料理に……! 混ぜるだけなので、材料をスーパーで買えば帰国後も日本で作ることができ、中東料理を習得できちゃいました。

ベースキャンプでできる、ユニークな体験が「ヘナタトゥー」。天然の染料を使ったインスタントタトゥーで、約2週間ほどデザインを楽しめます。アバヤを着た女性が、お花や草木の複雑な模様を描いてくれました!

最後はヴィンテージのランドローバーに乗り、砂漠をドライブ。デザートサファリのベストシーズンは気候が落ち着く10〜4月です。筆者は2月に訪れましたが、この時期はほかの月に比べて雨が降りやすく、砂漠では多くの植物が青々としていました。過酷な環境の砂漠で生き抜く植物の姿はとても力強く、この時期ならではの光景です。 

砂漠を走っていると、愛らしい動物を発見! 写真はアラビアンオリックスで、砂漠ではほかにもアラビアンガゼルに会うことができます。猛暑の夏に生き抜ける力を持つ動物は少なく、とても貴重。砂漠に住む動物たちや自然環境など詳しい話を聞くと、より深い観光体験となります。

 

・Platinum Heritage

HP:https://www.platinum-heritage.com/

 

意外とリーズナブル! 1室1万円台〜のホテルも

ラグジュアリーな印象が強いドバイで、リーズナブルなホテルも選択できるのは、意外と知られていない事実。ドバイ生まれのホテルブランド「Rove」が展開する「Rove City Walk」は1室1万円台〜、ふたりなら1万円以下〜泊まれちゃうお得なホテルです。ドバイの中心地にあり、最寄りの「Burj Khalifa/ Dubai Mall Metro Station」までは徒歩約7分。音楽をコンセプトにしたロビーがとてもおしゃれで、旅のテンションも高まります!

2021年にオープンしたばかりなので、客室は清潔感にあふれています。ボトルウォーター、お茶、コーヒーも用意され、ゆったりとくつろげるのも魅力。屋外プールで泳げたり、ドバイモールやジュメイラ地区のカイト・ビーチまで無料送迎バスが運行していたり、嬉しいサービスや設備が整っていました。

 

・Rove City Walk

住所:Al Badaa Street – Al Wasl – Dubai

HP:https://www.rovehotels.com/en/hotels/rove-city-walk/

 

三連休なら有給休暇なしでも行けちゃう「ドバイ」。治安も良く、魅惑的な中東の文化を楽しむことができます。アジア圏は日本と通ずるものがありますが、中東はまったく違う文化を持つ別世界! 今年はアジアを飛び出して、ドバイで見たことのない景色を探す週末旅へ出かけてみませんか?

 

取材協力:ドバイ経済観光庁

HP:https://www.visitdubai.com/ja

 

※AED 1=41.20円(2024年4月1日時点)

 

取材&撮影&文/小浜みゆ

MAGAZINE

mina 2024年8月号

COVER STORY

STORY of WEEKEND | A literary day with glasses 齋藤飛鳥

  • ◆本とメガネのある暮らし。
  • ◆週末コーデに、「メガネ」を掛け算。
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