「古着芸人」と呼ばれる芸人さんたちの中でも、みなみかわさんのスタイリングはひと味違って、とても“品よく見える”。
スタイリストに依頼せず、撮影を伴う収録もすべて自ら用意している彼に、自前の古着コーデを披露してもらい、彼流の着こなし方について聞いた。

おじさんになってから全身古着は控えてます
「古着芸人」という枠でメディアの企画に呼ばれることが多いみなみかわさんだが、実は彼のワードローブの中は、古着だらけというわけでもないそうだ。
「全身古着っていうのはあんまりやらないんです。年齢を重ねてきて、どうしても古着オンリーだと汚らしい印象になってしまうというか。見た目の清潔感を大事にしたいので、古着は基本、現行品とミックスして着ています」
写真で着用しているフランス軍前期のカーゴパンツはデッドストックなので、古着特有の野暮ったさが出ない。

そしてデニムジャケットの下に着ているのは、コロナ禍で仕事がないときにバイトをさせてもらっていたという恵比寿のセレクトショップ「ジェラード」のオリジナルミリタリーシャツだ。
ヴィンテージのアイテムからサンプリングしたオリジナル服は古着との相性がよく、ふだんから愛用しているアイテムがたくさんあるという。
「実は、デニムのセットアップと蝶ネクタイという衣装を提案してくれたのは、ジェラードの社長さん。長い間お世話になっています」
ヴィンテージの意匠を再現した復刻デニムに夢中!

「もちろんヴィンテージはかっこいいですけど、根が貧乏性なんで、高いものだと買っても着るのがもったいないなっていう思いが勝っちゃうんですよね。特にデニムは濃いインディゴのものに惹かれるので、古着じゃなくて復刻のものが多いんです。今一番気に入っているのは、岡山の『TCB jeans』というブランドの、1922年製のヴィンテージをモデルにしたパンツ。太めで作業着っぽいシルエットや、バックのサスペンダーボタンがクラシックでかっこいい」
変わらない魅力があって 永く着られるのが古着の良さ
昨今は価格がどんどん高騰し、簡単には手が届きにくくなっているヴィンテージ古着。古着の価値を判断するうえで価格は大きな要素となっているが、以前仕事で訪れた古着イベントで、ひとつの気づきがあったという。
「あるブースで、デンマーク軍のパンツを見つけたんです。物自体が珍しいし、ディテールも凝っててすごいかっこよくて、これは高いぞ〜と思って値札を見たら、9,000円と思ったより意外と手ごろで。僕、こんな安いやつなら買わんわって思って、一回やめようとしたんです。でもそこで、あれ今、値段で服の価値を決めなかったか? 直感で「かっこいい」と思ったやつを安く買う、っていうのが古着のよさだろと気づいて。いつの間にか汚い大人になったなって思いましたよ。反省して、その軍パンは購入しました」

大人には大人の楽しみ方があると教えてくれたみなみかわさんに、古着の魅力を聞いてみた。
「何十年前のものなのに、今見てもかっこいいってことは、つまり時代が変わっても永く着られるってことですよね。いい古着には、そういう不変の魅力がある。市場価値があるものとかじゃなくて、自分が純粋にかっこいいと思えるものを、年齢に合わせて着こなしていけたらと思っています」
※衣装はすべて本人私物です。
mina12・1月合併号ではみなみかわさんのアメカジコーデや、スタイリングのルーツに関する話など、このインタビューの続きが読めます!
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PROFILE
みなみかわ
Instagram:@p_minamikawa
芸歴20年ごろからじわじわと頭角を現し、テレビ「ゴッドタン」や「水曜日のダウンタウン」などで注目を集める。現在はYouTubeの公式チャンネル「みなみかわ」「ナンセチャンネル」でさまざまなコンテンツを配信中。
◎Photo / Goto Keita(W) ◎Model / Minamikawa
※衣装はすべて本人私物です。
2025・2026年mina12・1月合併号(2025年10月20日発売)より
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